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【新著連載】Q31.人前で堂々と意見や主張を言えない

投稿日時:2013/07/02(火) 17:32rss

15万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております! ぜひコメント、トラックバックをお寄せください。

Q31.人前で堂々と意見や主張を言えない

→A.人前で熱く語る「役者スイッチ」は舞台に立つことで磨かれる

 起業家は、一流の役者でもあります。
 静まり返った会議や、上司が暴走発言をした席上など、ここぞという時に、その場の空気を「ひとこと」で変えられる「名役者」なのです。その発言の中身も重要ではありますが、もっと大切なのは、その場の「空気」を読み、「間」をとること、よく通る声を「腹」からゆったりと出すことなのです。すると、いつしか周りの人も「大舞台の見せ場」で期待してくれるようになります。「発言してほしいオーラ」と「視線のスポットライト」を、自分に寄せてくれるようになります。そこで「待ってました」とばかりに「意見」を放てば効果絶大なのです。
 もちろん、こうした「演技力」や「人望」は一朝一夕で築かれる訳ではありません。若いうちに、失敗もおそれずに、繰り返し繰り返し舞台に立つことが重要なのです。

●講演会で真っ先に質問する

 最初にお勧めしたいレッスンは、敬愛する経営者の講演会に出かけて、真っ先に質問することです。身内や知り合いが多い社内・校内や地元の勉強会では、人目を気にしてしまうので、ネットで「経営者名+講演会」等と検索して参加しましょう。
 
 私が、新米社会人だった時、ダイエー創業者の中内功会長の講演をお聴きする好機がありました。拙著「すぐやる技術」にも書いたことを実践し、一番前に座って、中内さんの言葉にうなずき、メモをとりながら、いの一番に質問をしました。
 当時、私は飛び込み営業をしていたので、ダイエーが始めたディスカウントストア「トポス」の凄まじい集客力を知っていました。
 そこで、「私は、毎日、飛び込み営業で街を歩き回っていますが、トポスにみんな吸い込まれて行きます」と切り出しました。ここで、中内さんが嬉しそうに笑ったのです。そして「次々に新業態を開発されていますが、これから中内さんはどんなことを実践したいですか?」と質問しました。
 中内さんの答えは意外なもので、「流通を本格的に学べる大学を作りたい」ということでした。この答えにも感銘を受けて、すぐに手書きのお礼状を書きました。すると、驚いたことに、中内さんご自身から「巻き紙で筆文字」のお礼状が届いたのです。

 この体験で、私は多くを学び、自信を持つことができました。
「大経営者ほど、一番前に座って、目をそらずに話を聴き、真っ先に質問をするような若者が好きなこと。」「頭でっかちより、自ら歩いて汗をかいて現場情報をとってくる若者が好きなこと」「自分の取組みを認めてくれる若者が好きなこと」「自分の夢を尋ねてくれる若者が好きなこと」「お礼状など、礼儀を重んじる若者が好きなこと」
 私は、中内会長の粋な計らいに出会って、大経営者に物怖じしなくなったのです。

●会議で周囲の目を気にせず意見を言う

 次のレッスンは、NPO活動に積極的に参加して、その会議で意見を言うことです。
 
 大企業と違って、NPO法人では、大経営者や著名人と、熱心な若者が、同じ会議に座ることも少なくありません。NPO活動の中身は、地域おこし、教育、福祉など、関心のあることでかまいません。日本財団のインターネットサービス「CANPAN」のデータベースでNPOを探しましょう。理事などの顔ぶれも明記されているはずです。
 このレッスンでは、自分が現場で実践して感じた実体験に基づく「改善案・改革案」を発言してみましょう。実は、人生経験がはるかに豊富な先輩方が相手でも、若者が自分の意見に耳を傾けてもらうことは、さほど難しくありません。若者が好きなものや、得意なことを盛り込みながら、「インターネット」や「イベント」を活用するアイディアを提案すれば良いからです。多くのNPO団体では、もっと若い人を、新しい方法で巻き込みたいと思っていますので、若者が力を発揮できる課題があるのです。
 この「わか者感覚」は生涯活用することができます。私が理事をつとめます社会貢献支援財団では、日下公人先生、内館牧子先生、屋山太郎先生など、功成り名を遂げられた大先輩が理事会に名前に連ねています。事務局もしっかりしているので、若造が、何も発言しないと「異議無し」とすべてが順調に進んで何もおこりません。
しかし、私は「何か目新しいことを話せ」というオーラを毎回感じます。
ある時、広告宣伝費の使い道と、お金をかけない広報活動の話になった時に、私なりの提案を投げかけてみたのです。口を開くと、いっせいに振り向かれますが、今では快感です。
「最近、コンビニで読みやすい500円本が売れています。先日も『戦国武将の泣ける美談』が満載の読みやすい本を買いましたが大変面白いです。そこで『社会貢献をしている人たちの泣ける美談』が満載のコンビニ本を作ったら、堅苦しい報告書よりも多くの人が読んでくれます。これまで表彰した人たちにネットで原稿を寄せてもらえば取材費もいりませんし、出版社の仕事にすれば、費用のかわりに印税が入ります」
 稚拙な提案ですが、日下先生はじめ、多くの著書を誇る理事のみなさんも面白いと言ってくださいました。
 自分より知恵も経験も豊かな「尊敬する先輩」から認められるのは、何より嬉しいことです。次の会で「出版計画も着々と進んでいる」と報告したところ、日下先生から「ありがとう」と言っていただけました。お金を稼いだり、名誉を得たりするよりも、師匠から褒められお礼を言われるほど素晴らしいご褒美はありません。だからこそ、人前で言う恥ずかしさなんて、吹き飛んでしまうのです。

 人前で熱く語る「役者スイッチ」は、誰にでも付いています。役者や芸人に恥ずかしがり屋も多いのも、その証拠です。多くの人が「スイッチの入れ方」を体得していないだけです。スイッチを入れるべき場所は、同世代のお気楽「小勤め人」と愚痴を言い合う居酒屋ではありません。手が届かない先輩「起業家」と接する講演会や会議なのです。
 
 起業家の前で演じることこそ、起業家=一流の役者に近づく早道なのです。

A.人前で熱く語る「役者スイッチ」は舞台に立つことで磨かれる

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ボードメンバープロフィール

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くめ のぶゆき氏

久米信行(くめ・のぶゆき)

1963年東京下町生まれのTシャツメーカー三代目。

慶應義塾大学経済学部卒業後、87年、イマジニア株式会社に入社。ファミコンゲームソフトのゲームデザイナー兼飛び込み営業を担当する。
88年に日興證券株式会社に転職し、資金運用・相続診断システムの企画開発、ファイナンシャル・プランナー研修で活躍。
94年に家業である久米繊維工業株式会社の代表取締役に就任。

日本でこそ創りえるTシャツを目指し、グリーン電力とオーガニックコットンを生かす環境品質と、
クリエイターとJapanCoolを共創する文化品質を追求。
個人的なTシャツコレクションも数千枚に及び、全国のTシャツアート展・ワークショップ・エコイベントを支援する。

明治大学商学部「ベンチャービジネス論/起業プランニング論」講師。NPO法人CANPANセンター理事。東京商工会議所墨田支部IT分科会長。社団法人墨田区観光協会理事。

著書に、10万部を突破した『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社)、
Amazonでビジネス3部門第1位を獲得した『メール道』と『ブログ道』(ともにNTT出版)がある。
連載は、「経営者会報」「日経パソコン」「日経ネットマーケティング」「日経トップリーダー」ほか多数。

Twitter ID @nobukume
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