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2013年07月05日(金)更新
久米信行氏新刊の見本出来のお知らせと出版記念イベントのご案内
こんにちは! 日本実業出版社の前川健輔です。
昨日まで当ブログで連載していた本『言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール』の見本が、本日7月5日に出来しました!! このブログをご覧いただいているみなさま、「いいね!」ボタンを押してくださっていたみなさま、には、心より感謝申し上げます。
7月11日(木)から全国書店にて順次発売です。ぜひ書店で手にとってご覧ください。このブログとは、違った印象の本になっていると思いますので、その違いも楽しんでいただければうれしいです。
そして、久米信行さんの『言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール』の新著出版イベントを、7月16日(火)に予定しております。
詳細は以下のとおりです。
■日時:2013年7月16日(火)
■会場:ワテラスコモン(東京都千代田区神田淡路町)
http://www.waterrascommon.com/
東京都千代田区神田淡路町にできたばかりのおしゃれ空間です!
■定員数:100名
■参加費:1,000円(ワンフラワー制)
■スケジュール
開場:18:00~
時間:19:00~21:00
■内容
前半:『言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール』のエッセンス紹介(久米信行)
後半:「リスクをとって自分の道を切り開いた起業家4人」によるパネルディスカッション
※詳細は別途ご案内します。
■お申し込み方法
お申し込みはコチラからどうぞ。
▼お申し込みページはコチラ(こくちーず)からどうぞ
http://kokucheese.com/event/index/101302/
できれば「こくちーず」でお申し込みいただきたいのですが、よくわからないという方がいらっしゃいましたら、メールでのお申し込みもお待ちしております。
▼メールでお申し込みの方はコチラから
33yell[@]gmail.com
※[@]を@に変換し、お名前を明記の上、お送りください。
引き続き、『言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール』の書籍およびブログへのご支援のほど、よろしくお願いします。
昨日まで当ブログで連載していた本『言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール』の見本が、本日7月5日に出来しました!! このブログをご覧いただいているみなさま、「いいね!」ボタンを押してくださっていたみなさま、には、心より感謝申し上げます。
7月11日(木)から全国書店にて順次発売です。ぜひ書店で手にとってご覧ください。このブログとは、違った印象の本になっていると思いますので、その違いも楽しんでいただければうれしいです。
そして、久米信行さんの『言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール』の新著出版イベントを、7月16日(火)に予定しております。
詳細は以下のとおりです。
■日時:2013年7月16日(火)
■会場:ワテラスコモン(東京都千代田区神田淡路町)
http://www.waterrascommon.com/
東京都千代田区神田淡路町にできたばかりのおしゃれ空間です!
■定員数:100名
■参加費:1,000円(ワンフラワー制)
■スケジュール
開場:18:00~
時間:19:00~21:00
■内容
前半:『言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール』のエッセンス紹介(久米信行)
後半:「リスクをとって自分の道を切り開いた起業家4人」によるパネルディスカッション
※詳細は別途ご案内します。
■お申し込み方法
お申し込みはコチラからどうぞ。
▼お申し込みページはコチラ(こくちーず)からどうぞ
http://kokucheese.com/event/index/101302/
できれば「こくちーず」でお申し込みいただきたいのですが、よくわからないという方がいらっしゃいましたら、メールでのお申し込みもお待ちしております。
▼メールでお申し込みの方はコチラから
33yell[@]gmail.com
※[@]を@に変換し、お名前を明記の上、お送りください。
引き続き、『言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール』の書籍およびブログへのご支援のほど、よろしくお願いします。
2013年07月04日(木)更新
【新著連載】Q33.商品や自分を売り込むのが苦手です
15万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております! ぜひコメント、トラックバックをお寄せください。
Q33.商品や自分を売り込むのが苦手です
→A.不器用でも情熱をもった「○○オタク」を目指せ
起業家にとって、一番大切な資質は「商品や自分を売り込む力」です。どんなに良い事業プランや商品でも、誰も見向きもしなければ無駄になってしまうからです。
尊敬する「まちおこし・ものづくり・ことおこし」達人、クリップ代表 島田昭彦さんは、「日本の素晴らしさ」を海外に広めるお仕事をされています。その大変な体験から「何かを作る力を1としたら、伝える力、広める力に、5倍の力をかけなければいけない」と強調されています。それぐらい、商品や自分を売り込むのは大切な仕事なのです。
●営業ほど創造的な仕事はない
多くの若者は、経営企画、商品企画などの仕事につきたがります。おそらく、それが創造的(クリエイティブ)で感性豊かな仕事だと思っているのでしょう。逆に、営業は泥臭くて、創造的ではないと思われがちです。上司やお客様にも怒られ、つらそうに見えるのでしょう。
しかし、それは大きな間違いです。私は、経営・商品・営業企画の仕事から、飛び込み営業・トップセールスまで体験しました。また、人工知能を使った投資・税務相談システムや自社効率化の業務システムも構築したので、機械でできること、人にしかできないことにも敏感です。
その経験から、営業ほど、人間の知性・感性・品性が問われ、心技体の高い能力が必要とされる仕事はないと感じています。
お客様は一人一人個性が違うため、模範解答もマニュアルもありません。お客様に喜んでいただくためには、使える道具はアナログでもデジタルでもフル活用しつつ、自分の心で感じ、自分の頭で考え、自分で行動するしかありません。人間を感動させられるのは、機械ではなく生身の人間だけ。お客様が感動してくれればくれるほど感動できるのも人間だけです。
●愛想と要領が良いだけの若者は3か月で辞める?
さて、それでは、どんな若者が「21世紀の営業達人」になれるでしょうか?
私の結論は「今はどんなに口べたでも、何かを長く愛し続けた『○○オタク』なら、営業の達人になる資質がある」ということです。ですから、親しい経営者には、社長自ら「オタク枠」を作って採用することを勧めているほどです。「面接マニュアル」を熟読した「愛想と要領の良い学生」ばかり採用すると、会社への忠誠心も、商品への愛情も薄く、3ヶ月でやめてしまうような若者があふれてしまうと警告しています。
これは、明治大学商学部で、起業家志望の若者たちを「三方よしのあきんど」にする起業プランニング論の講義を、7年間続けて得られた実感です。
私の講義は、自分の好きな愛用品などのブログを立ち上げ、ネット行商を1年間続けるという変わり種です。就職して自分の愛用品以外を営業することに比べたら、はるかに簡単な課題です。
ところが、毎年100人近くの学生が、ガイダンスには参加するのに、残念ながら、最後まで完走する学生は10人前後しかいません。なぜなら「売りたいほど好きなもの(こと)がありません」という学生が圧倒的に多いからです。なんと寂しいことでしょう。ものがあふれているから?メールやSNSの返信に忙しいから? 好きなものが見つけられない学生ほど、愛想はいいくせに脱落していきます。
●口べた「○○オタク」が秘めた営業力
しかし、何か「愛するもの・こと」を胸に秘めてきた「○○オタク」は違います。親が「そんなもの捨てなさい」と言っても捨てず、友人から「いたい。うざい」などと言われても、大事に胸にしまって育んできたのです。10年間も心の奥で燃え続けてきたマグマは、きっと一生消えません。
私から見れば、彼らこそ独創的な商品やサービスを産み出す創造力や、トップセールスになりうる営業力を秘めているのです。
ただし、今どきの学生なおかつオタクですから、まっすぐ立てない、あいさつができない、人前で話せない人も少なくありません。だから面接も苦手です。そのかわり、愛想がいいだけの「よい子ちゃん」にない情熱と粘り強さを、兼ね備えているのです。
彼らは、自分の好きなものやことを、最初は、おそるおそるネットで発信します。すると、自分のまわりでは見つけられなかった「同好の仲間」から思いがけず返信が寄せられます。距離を超えたマニアックなつながりこそインターネットの美点です。
一人でも仲間が見つかり自信が持てたら、「どんなブログを始めるか」壇上で発表してもらいます。もちろん「変人×オタク」の私も、公序良俗に反していない限り「いいね」と絶賛します。学生から知らないものを教われば試してオタク仲間になります。いつしか私の講義に参加するのは、愛ある「○○オタク」ばかりになります。「オタクはオタクをバカにしない」ため、誰しもが自信を持って発言ができるようになります。
ここまでくれば簡単です。彼らに足りないのは「コミュニケーション力」ですが、「語るべき愛するものごと」と「誰かに伝えたいという熱意」さえあれば、あとは、毎日の練習を重ねれば良いからです。講義では、拙著『「すぐやる!」技術』『「認められる!」技術』「ビジネスメール道」でご紹介した簡単なレッスンを実践して体得していきます。
彼らは、自分たちにスキルがないことを理解しているので、私が教えたことを「素直に」試して繰り返します。ですから伸びしろが大きく、1年後は、まるで別人です。
いよいよ最終講義では、「自分の好きなものごと」を熱く語る3分間スピーチです。演壇で原稿なしで、時間超過までして、堂々と語る若者を見るのが、最大の喜びです。
この経験から、口べたでも愛情があれば、誰でも営業達人になれると確信しています。自分が販売する「商品やサービス」を誰よりも愛用して、その良さを知り尽くすこと。商品やサービスを愛用してくれる「お客様」にも愛情を注ぎ、心から共感すること。むしろ口べただからこそ、商品やお客様を静かに見つめて、心で感じとることができます。
やがて「何が本当に求められているか」お客様の「声にならない声」が聞こえてくるでしょう。その声に応えたいと思った瞬間から起業家への道が開かれるのです。
A.不器用でも情熱をもった「○○オタク」を目指せ
Q33.商品や自分を売り込むのが苦手です
→A.不器用でも情熱をもった「○○オタク」を目指せ
起業家にとって、一番大切な資質は「商品や自分を売り込む力」です。どんなに良い事業プランや商品でも、誰も見向きもしなければ無駄になってしまうからです。
尊敬する「まちおこし・ものづくり・ことおこし」達人、クリップ代表 島田昭彦さんは、「日本の素晴らしさ」を海外に広めるお仕事をされています。その大変な体験から「何かを作る力を1としたら、伝える力、広める力に、5倍の力をかけなければいけない」と強調されています。それぐらい、商品や自分を売り込むのは大切な仕事なのです。
●営業ほど創造的な仕事はない
多くの若者は、経営企画、商品企画などの仕事につきたがります。おそらく、それが創造的(クリエイティブ)で感性豊かな仕事だと思っているのでしょう。逆に、営業は泥臭くて、創造的ではないと思われがちです。上司やお客様にも怒られ、つらそうに見えるのでしょう。
しかし、それは大きな間違いです。私は、経営・商品・営業企画の仕事から、飛び込み営業・トップセールスまで体験しました。また、人工知能を使った投資・税務相談システムや自社効率化の業務システムも構築したので、機械でできること、人にしかできないことにも敏感です。
その経験から、営業ほど、人間の知性・感性・品性が問われ、心技体の高い能力が必要とされる仕事はないと感じています。
お客様は一人一人個性が違うため、模範解答もマニュアルもありません。お客様に喜んでいただくためには、使える道具はアナログでもデジタルでもフル活用しつつ、自分の心で感じ、自分の頭で考え、自分で行動するしかありません。人間を感動させられるのは、機械ではなく生身の人間だけ。お客様が感動してくれればくれるほど感動できるのも人間だけです。
●愛想と要領が良いだけの若者は3か月で辞める?
さて、それでは、どんな若者が「21世紀の営業達人」になれるでしょうか?
私の結論は「今はどんなに口べたでも、何かを長く愛し続けた『○○オタク』なら、営業の達人になる資質がある」ということです。ですから、親しい経営者には、社長自ら「オタク枠」を作って採用することを勧めているほどです。「面接マニュアル」を熟読した「愛想と要領の良い学生」ばかり採用すると、会社への忠誠心も、商品への愛情も薄く、3ヶ月でやめてしまうような若者があふれてしまうと警告しています。
これは、明治大学商学部で、起業家志望の若者たちを「三方よしのあきんど」にする起業プランニング論の講義を、7年間続けて得られた実感です。
私の講義は、自分の好きな愛用品などのブログを立ち上げ、ネット行商を1年間続けるという変わり種です。就職して自分の愛用品以外を営業することに比べたら、はるかに簡単な課題です。
ところが、毎年100人近くの学生が、ガイダンスには参加するのに、残念ながら、最後まで完走する学生は10人前後しかいません。なぜなら「売りたいほど好きなもの(こと)がありません」という学生が圧倒的に多いからです。なんと寂しいことでしょう。ものがあふれているから?メールやSNSの返信に忙しいから? 好きなものが見つけられない学生ほど、愛想はいいくせに脱落していきます。
●口べた「○○オタク」が秘めた営業力
しかし、何か「愛するもの・こと」を胸に秘めてきた「○○オタク」は違います。親が「そんなもの捨てなさい」と言っても捨てず、友人から「いたい。うざい」などと言われても、大事に胸にしまって育んできたのです。10年間も心の奥で燃え続けてきたマグマは、きっと一生消えません。
私から見れば、彼らこそ独創的な商品やサービスを産み出す創造力や、トップセールスになりうる営業力を秘めているのです。
ただし、今どきの学生なおかつオタクですから、まっすぐ立てない、あいさつができない、人前で話せない人も少なくありません。だから面接も苦手です。そのかわり、愛想がいいだけの「よい子ちゃん」にない情熱と粘り強さを、兼ね備えているのです。
彼らは、自分の好きなものやことを、最初は、おそるおそるネットで発信します。すると、自分のまわりでは見つけられなかった「同好の仲間」から思いがけず返信が寄せられます。距離を超えたマニアックなつながりこそインターネットの美点です。
一人でも仲間が見つかり自信が持てたら、「どんなブログを始めるか」壇上で発表してもらいます。もちろん「変人×オタク」の私も、公序良俗に反していない限り「いいね」と絶賛します。学生から知らないものを教われば試してオタク仲間になります。いつしか私の講義に参加するのは、愛ある「○○オタク」ばかりになります。「オタクはオタクをバカにしない」ため、誰しもが自信を持って発言ができるようになります。
ここまでくれば簡単です。彼らに足りないのは「コミュニケーション力」ですが、「語るべき愛するものごと」と「誰かに伝えたいという熱意」さえあれば、あとは、毎日の練習を重ねれば良いからです。講義では、拙著『「すぐやる!」技術』『「認められる!」技術』「ビジネスメール道」でご紹介した簡単なレッスンを実践して体得していきます。
彼らは、自分たちにスキルがないことを理解しているので、私が教えたことを「素直に」試して繰り返します。ですから伸びしろが大きく、1年後は、まるで別人です。
いよいよ最終講義では、「自分の好きなものごと」を熱く語る3分間スピーチです。演壇で原稿なしで、時間超過までして、堂々と語る若者を見るのが、最大の喜びです。
この経験から、口べたでも愛情があれば、誰でも営業達人になれると確信しています。自分が販売する「商品やサービス」を誰よりも愛用して、その良さを知り尽くすこと。商品やサービスを愛用してくれる「お客様」にも愛情を注ぎ、心から共感すること。むしろ口べただからこそ、商品やお客様を静かに見つめて、心で感じとることができます。
やがて「何が本当に求められているか」お客様の「声にならない声」が聞こえてくるでしょう。その声に応えたいと思った瞬間から起業家への道が開かれるのです。
A.不器用でも情熱をもった「○○オタク」を目指せ
2013年07月03日(水)更新
【新著連載】Q32.「お前がやれ」と言われると躊躇する
15万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております! ぜひコメント、トラックバックをお寄せください。
Q32.「お前がやれ」と言われると躊躇する
→A.3秒以内に即答して、やってみながら考える
起業家にとって、「自分のアイディアを自分で形にできること」ほど幸せなことはありません。起業家は「いくらひらめいても、それだけでは価値がないこと」「自分で形にしなければ、真の喜びが得られないこと」を心の奥底で体感しているのです。この独特の感覚は、成功体験よりも苦渋の体験で育まれるのです。「アイディアを実現したくとも、お金や組織などの経営資源がなくてライバルに奪われた経験」や、「アイディアを出しただけで担当させてもらえなかった経験」を味わえば考え方が変わるのです。
それでも躊躇するのは、「自分にそんな実力があるか」「ゼロからの仕事は大変そう」「失敗したらどうしよう」といったリスクへの恐怖が邪魔をしているからでしょう。
●まずは「はい。やらせてください」と3秒以内に即答する
しかし、「お前がやれ」と言われることは、社内起業において、既に二つの大変なプロセスをクリアしていることだと気づきましょう。ありがたいことに、経営者や上司に「そのアイディアは面白い」「アイディアを実現する力が君にはある」と認められているのです。「失敗させてでも君を育てたい」と感じているのかもしれません。直感力・洞察力に優れた経営者や上司が、きっと「できるはず」と考えた上で「お前がやれ」と言っていることを忘れてはなりません。「私が見込んだ通りの人物であるか。自分が思いついたことを、すぐやる>やり抜く気概があるか」を試しているわけです。
そんな期待に応えるための最良の回答は、「はい。やらせてください」と10秒以内に即答することです。間違っても「よく考えさせてください」などと言ってはなりません。それだけで「新規事業で、即断を迫られた時に、問題を先送りする人物」と判断され、おそらく、経営者も上司も二度と声をかけてくれなくなるでしょう。
迷わず「すぐやるお手本」として私が尊敬しているのは、地元墨田区の先輩経営者、フットマーク会長の磯部成文さんです。磯部さんの生き方、経営手法は、独創性に富んだ起業家そのもので、まさに「すぐやる」ことの連続だったのです。
磯部さんは、若くして先代から引き継いだ家業「おむつカバー」の行く末を憂いて、まだ、全国の学校にプールがない頃に、水泳帽やスクール水着への展開を決められました。また、介護という言葉を産み出して、少子高齢化時代に、いちはやくシニア向け商品へのシフトも進められています。
こうした鮮やかな事業転換や事業展開は、「おまえがやれ」と言われて「すぐやる」挑戦の繰返しだったと拝察します。
●「できるかどうかはやってみてから考える」発想を
オーナー経営者である磯部さんが、誰から「おまえがやれ」と言われるか不思議に思われるでしょう。磯部さんは、師匠探しとコラボレーションの達人で、会長になられた今でも、面白い人がいると進んで自分から会いに行くのです。
例えば、今や同社の主力商品のひとつウォーキング・スポーツ用タイツ「フィール・アライナ」も、大学の先生から「やれ」と言われて、即答して商品開発にとり組んだ賜物だそうです。先生のありがたいアイディアに応えることが第一。「できるかどうかはやってみてから考える」発想で、すぐサンプル制作しては先生の研究室に通われた結果なのです。こうした積み重ねが信用になり、さらに大きなアイディアと商機を呼び寄せてきたのです。
●「失敗しながら学んでいく人」は達人に支援される
磯部さんは、よくご自身のことを「おっちょこちょい」と評されますが、それは、「このアイディアは面白い」「この人はすごい」と直感が働いたら、迷わず「すぐやる」という「健全な起業家精神」のあらわれなのです。70代とは信じられない磯部さんの「心と体の若さ」の源泉は、子供のような「知的好奇心=何でも面白がる心」です。だからこそ、二十歳以上も私がお誘いした時、仕事と関係ない遊びごとでも面白いと感じたら、すぐにご参加くださいます。
例えば、スネークマンショーの桑原茂一さんのお芝居や、大地の芸術祭のイベントにもご一緒しましたし、つい先日は「日本おにごっこ協会」との地元牛島神社でのイベント企画にもご参加いただきました。
若い起業家を応援する先輩起業家は、多かれ少なかれ、磯部さんと良く似た気質や考え方をお持ちです。自分と同じように、新しいものを探して「すぐに挑戦する人」まずは試して「失敗しながら学んで行く人」が大好きなのです。そんな先輩が「君がやれ」と差し出してくれた一世一代のチャンスです。期待を裏切ってはなりません。
A.3秒以内に即答して、やってみながら考える
Q32.「お前がやれ」と言われると躊躇する
→A.3秒以内に即答して、やってみながら考える
起業家にとって、「自分のアイディアを自分で形にできること」ほど幸せなことはありません。起業家は「いくらひらめいても、それだけでは価値がないこと」「自分で形にしなければ、真の喜びが得られないこと」を心の奥底で体感しているのです。この独特の感覚は、成功体験よりも苦渋の体験で育まれるのです。「アイディアを実現したくとも、お金や組織などの経営資源がなくてライバルに奪われた経験」や、「アイディアを出しただけで担当させてもらえなかった経験」を味わえば考え方が変わるのです。
それでも躊躇するのは、「自分にそんな実力があるか」「ゼロからの仕事は大変そう」「失敗したらどうしよう」といったリスクへの恐怖が邪魔をしているからでしょう。
●まずは「はい。やらせてください」と3秒以内に即答する
しかし、「お前がやれ」と言われることは、社内起業において、既に二つの大変なプロセスをクリアしていることだと気づきましょう。ありがたいことに、経営者や上司に「そのアイディアは面白い」「アイディアを実現する力が君にはある」と認められているのです。「失敗させてでも君を育てたい」と感じているのかもしれません。直感力・洞察力に優れた経営者や上司が、きっと「できるはず」と考えた上で「お前がやれ」と言っていることを忘れてはなりません。「私が見込んだ通りの人物であるか。自分が思いついたことを、すぐやる>やり抜く気概があるか」を試しているわけです。
そんな期待に応えるための最良の回答は、「はい。やらせてください」と10秒以内に即答することです。間違っても「よく考えさせてください」などと言ってはなりません。それだけで「新規事業で、即断を迫られた時に、問題を先送りする人物」と判断され、おそらく、経営者も上司も二度と声をかけてくれなくなるでしょう。
迷わず「すぐやるお手本」として私が尊敬しているのは、地元墨田区の先輩経営者、フットマーク会長の磯部成文さんです。磯部さんの生き方、経営手法は、独創性に富んだ起業家そのもので、まさに「すぐやる」ことの連続だったのです。
磯部さんは、若くして先代から引き継いだ家業「おむつカバー」の行く末を憂いて、まだ、全国の学校にプールがない頃に、水泳帽やスクール水着への展開を決められました。また、介護という言葉を産み出して、少子高齢化時代に、いちはやくシニア向け商品へのシフトも進められています。
こうした鮮やかな事業転換や事業展開は、「おまえがやれ」と言われて「すぐやる」挑戦の繰返しだったと拝察します。
●「できるかどうかはやってみてから考える」発想を
オーナー経営者である磯部さんが、誰から「おまえがやれ」と言われるか不思議に思われるでしょう。磯部さんは、師匠探しとコラボレーションの達人で、会長になられた今でも、面白い人がいると進んで自分から会いに行くのです。
例えば、今や同社の主力商品のひとつウォーキング・スポーツ用タイツ「フィール・アライナ」も、大学の先生から「やれ」と言われて、即答して商品開発にとり組んだ賜物だそうです。先生のありがたいアイディアに応えることが第一。「できるかどうかはやってみてから考える」発想で、すぐサンプル制作しては先生の研究室に通われた結果なのです。こうした積み重ねが信用になり、さらに大きなアイディアと商機を呼び寄せてきたのです。
●「失敗しながら学んでいく人」は達人に支援される
磯部さんは、よくご自身のことを「おっちょこちょい」と評されますが、それは、「このアイディアは面白い」「この人はすごい」と直感が働いたら、迷わず「すぐやる」という「健全な起業家精神」のあらわれなのです。70代とは信じられない磯部さんの「心と体の若さ」の源泉は、子供のような「知的好奇心=何でも面白がる心」です。だからこそ、二十歳以上も私がお誘いした時、仕事と関係ない遊びごとでも面白いと感じたら、すぐにご参加くださいます。
例えば、スネークマンショーの桑原茂一さんのお芝居や、大地の芸術祭のイベントにもご一緒しましたし、つい先日は「日本おにごっこ協会」との地元牛島神社でのイベント企画にもご参加いただきました。
若い起業家を応援する先輩起業家は、多かれ少なかれ、磯部さんと良く似た気質や考え方をお持ちです。自分と同じように、新しいものを探して「すぐに挑戦する人」まずは試して「失敗しながら学んで行く人」が大好きなのです。そんな先輩が「君がやれ」と差し出してくれた一世一代のチャンスです。期待を裏切ってはなりません。
A.3秒以内に即答して、やってみながら考える
2013年07月02日(火)更新
【新著連載】Q31.人前で堂々と意見や主張を言えない
15万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております! ぜひコメント、トラックバックをお寄せください。
Q31.人前で堂々と意見や主張を言えない
→A.人前で熱く語る「役者スイッチ」は舞台に立つことで磨かれる
起業家は、一流の役者でもあります。
静まり返った会議や、上司が暴走発言をした席上など、ここぞという時に、その場の空気を「ひとこと」で変えられる「名役者」なのです。その発言の中身も重要ではありますが、もっと大切なのは、その場の「空気」を読み、「間」をとること、よく通る声を「腹」からゆったりと出すことなのです。すると、いつしか周りの人も「大舞台の見せ場」で期待してくれるようになります。「発言してほしいオーラ」と「視線のスポットライト」を、自分に寄せてくれるようになります。そこで「待ってました」とばかりに「意見」を放てば効果絶大なのです。
もちろん、こうした「演技力」や「人望」は一朝一夕で築かれる訳ではありません。若いうちに、失敗もおそれずに、繰り返し繰り返し舞台に立つことが重要なのです。
●講演会で真っ先に質問する
最初にお勧めしたいレッスンは、敬愛する経営者の講演会に出かけて、真っ先に質問することです。身内や知り合いが多い社内・校内や地元の勉強会では、人目を気にしてしまうので、ネットで「経営者名+講演会」等と検索して参加しましょう。
私が、新米社会人だった時、ダイエー創業者の中内功会長の講演をお聴きする好機がありました。拙著「すぐやる技術」にも書いたことを実践し、一番前に座って、中内さんの言葉にうなずき、メモをとりながら、いの一番に質問をしました。
当時、私は飛び込み営業をしていたので、ダイエーが始めたディスカウントストア「トポス」の凄まじい集客力を知っていました。
そこで、「私は、毎日、飛び込み営業で街を歩き回っていますが、トポスにみんな吸い込まれて行きます」と切り出しました。ここで、中内さんが嬉しそうに笑ったのです。そして「次々に新業態を開発されていますが、これから中内さんはどんなことを実践したいですか?」と質問しました。
中内さんの答えは意外なもので、「流通を本格的に学べる大学を作りたい」ということでした。この答えにも感銘を受けて、すぐに手書きのお礼状を書きました。すると、驚いたことに、中内さんご自身から「巻き紙で筆文字」のお礼状が届いたのです。
この体験で、私は多くを学び、自信を持つことができました。
「大経営者ほど、一番前に座って、目をそらずに話を聴き、真っ先に質問をするような若者が好きなこと。」「頭でっかちより、自ら歩いて汗をかいて現場情報をとってくる若者が好きなこと」「自分の取組みを認めてくれる若者が好きなこと」「自分の夢を尋ねてくれる若者が好きなこと」「お礼状など、礼儀を重んじる若者が好きなこと」
私は、中内会長の粋な計らいに出会って、大経営者に物怖じしなくなったのです。
●会議で周囲の目を気にせず意見を言う
次のレッスンは、NPO活動に積極的に参加して、その会議で意見を言うことです。
大企業と違って、NPO法人では、大経営者や著名人と、熱心な若者が、同じ会議に座ることも少なくありません。NPO活動の中身は、地域おこし、教育、福祉など、関心のあることでかまいません。日本財団のインターネットサービス「CANPAN」のデータベースでNPOを探しましょう。理事などの顔ぶれも明記されているはずです。
このレッスンでは、自分が現場で実践して感じた実体験に基づく「改善案・改革案」を発言してみましょう。実は、人生経験がはるかに豊富な先輩方が相手でも、若者が自分の意見に耳を傾けてもらうことは、さほど難しくありません。若者が好きなものや、得意なことを盛り込みながら、「インターネット」や「イベント」を活用するアイディアを提案すれば良いからです。多くのNPO団体では、もっと若い人を、新しい方法で巻き込みたいと思っていますので、若者が力を発揮できる課題があるのです。
この「わか者感覚」は生涯活用することができます。私が理事をつとめます社会貢献支援財団では、日下公人先生、内館牧子先生、屋山太郎先生など、功成り名を遂げられた大先輩が理事会に名前に連ねています。事務局もしっかりしているので、若造が、何も発言しないと「異議無し」とすべてが順調に進んで何もおこりません。
しかし、私は「何か目新しいことを話せ」というオーラを毎回感じます。
ある時、広告宣伝費の使い道と、お金をかけない広報活動の話になった時に、私なりの提案を投げかけてみたのです。口を開くと、いっせいに振り向かれますが、今では快感です。
「最近、コンビニで読みやすい500円本が売れています。先日も『戦国武将の泣ける美談』が満載の読みやすい本を買いましたが大変面白いです。そこで『社会貢献をしている人たちの泣ける美談』が満載のコンビニ本を作ったら、堅苦しい報告書よりも多くの人が読んでくれます。これまで表彰した人たちにネットで原稿を寄せてもらえば取材費もいりませんし、出版社の仕事にすれば、費用のかわりに印税が入ります」
稚拙な提案ですが、日下先生はじめ、多くの著書を誇る理事のみなさんも面白いと言ってくださいました。
自分より知恵も経験も豊かな「尊敬する先輩」から認められるのは、何より嬉しいことです。次の会で「出版計画も着々と進んでいる」と報告したところ、日下先生から「ありがとう」と言っていただけました。お金を稼いだり、名誉を得たりするよりも、師匠から褒められお礼を言われるほど素晴らしいご褒美はありません。だからこそ、人前で言う恥ずかしさなんて、吹き飛んでしまうのです。
人前で熱く語る「役者スイッチ」は、誰にでも付いています。役者や芸人に恥ずかしがり屋も多いのも、その証拠です。多くの人が「スイッチの入れ方」を体得していないだけです。スイッチを入れるべき場所は、同世代のお気楽「小勤め人」と愚痴を言い合う居酒屋ではありません。手が届かない先輩「起業家」と接する講演会や会議なのです。
起業家の前で演じることこそ、起業家=一流の役者に近づく早道なのです。
A.人前で熱く語る「役者スイッチ」は舞台に立つことで磨かれる
Q31.人前で堂々と意見や主張を言えない
→A.人前で熱く語る「役者スイッチ」は舞台に立つことで磨かれる
起業家は、一流の役者でもあります。
静まり返った会議や、上司が暴走発言をした席上など、ここぞという時に、その場の空気を「ひとこと」で変えられる「名役者」なのです。その発言の中身も重要ではありますが、もっと大切なのは、その場の「空気」を読み、「間」をとること、よく通る声を「腹」からゆったりと出すことなのです。すると、いつしか周りの人も「大舞台の見せ場」で期待してくれるようになります。「発言してほしいオーラ」と「視線のスポットライト」を、自分に寄せてくれるようになります。そこで「待ってました」とばかりに「意見」を放てば効果絶大なのです。
もちろん、こうした「演技力」や「人望」は一朝一夕で築かれる訳ではありません。若いうちに、失敗もおそれずに、繰り返し繰り返し舞台に立つことが重要なのです。
●講演会で真っ先に質問する
最初にお勧めしたいレッスンは、敬愛する経営者の講演会に出かけて、真っ先に質問することです。身内や知り合いが多い社内・校内や地元の勉強会では、人目を気にしてしまうので、ネットで「経営者名+講演会」等と検索して参加しましょう。
私が、新米社会人だった時、ダイエー創業者の中内功会長の講演をお聴きする好機がありました。拙著「すぐやる技術」にも書いたことを実践し、一番前に座って、中内さんの言葉にうなずき、メモをとりながら、いの一番に質問をしました。
当時、私は飛び込み営業をしていたので、ダイエーが始めたディスカウントストア「トポス」の凄まじい集客力を知っていました。
そこで、「私は、毎日、飛び込み営業で街を歩き回っていますが、トポスにみんな吸い込まれて行きます」と切り出しました。ここで、中内さんが嬉しそうに笑ったのです。そして「次々に新業態を開発されていますが、これから中内さんはどんなことを実践したいですか?」と質問しました。
中内さんの答えは意外なもので、「流通を本格的に学べる大学を作りたい」ということでした。この答えにも感銘を受けて、すぐに手書きのお礼状を書きました。すると、驚いたことに、中内さんご自身から「巻き紙で筆文字」のお礼状が届いたのです。
この体験で、私は多くを学び、自信を持つことができました。
「大経営者ほど、一番前に座って、目をそらずに話を聴き、真っ先に質問をするような若者が好きなこと。」「頭でっかちより、自ら歩いて汗をかいて現場情報をとってくる若者が好きなこと」「自分の取組みを認めてくれる若者が好きなこと」「自分の夢を尋ねてくれる若者が好きなこと」「お礼状など、礼儀を重んじる若者が好きなこと」
私は、中内会長の粋な計らいに出会って、大経営者に物怖じしなくなったのです。
●会議で周囲の目を気にせず意見を言う
次のレッスンは、NPO活動に積極的に参加して、その会議で意見を言うことです。
大企業と違って、NPO法人では、大経営者や著名人と、熱心な若者が、同じ会議に座ることも少なくありません。NPO活動の中身は、地域おこし、教育、福祉など、関心のあることでかまいません。日本財団のインターネットサービス「CANPAN」のデータベースでNPOを探しましょう。理事などの顔ぶれも明記されているはずです。
このレッスンでは、自分が現場で実践して感じた実体験に基づく「改善案・改革案」を発言してみましょう。実は、人生経験がはるかに豊富な先輩方が相手でも、若者が自分の意見に耳を傾けてもらうことは、さほど難しくありません。若者が好きなものや、得意なことを盛り込みながら、「インターネット」や「イベント」を活用するアイディアを提案すれば良いからです。多くのNPO団体では、もっと若い人を、新しい方法で巻き込みたいと思っていますので、若者が力を発揮できる課題があるのです。
この「わか者感覚」は生涯活用することができます。私が理事をつとめます社会貢献支援財団では、日下公人先生、内館牧子先生、屋山太郎先生など、功成り名を遂げられた大先輩が理事会に名前に連ねています。事務局もしっかりしているので、若造が、何も発言しないと「異議無し」とすべてが順調に進んで何もおこりません。
しかし、私は「何か目新しいことを話せ」というオーラを毎回感じます。
ある時、広告宣伝費の使い道と、お金をかけない広報活動の話になった時に、私なりの提案を投げかけてみたのです。口を開くと、いっせいに振り向かれますが、今では快感です。
「最近、コンビニで読みやすい500円本が売れています。先日も『戦国武将の泣ける美談』が満載の読みやすい本を買いましたが大変面白いです。そこで『社会貢献をしている人たちの泣ける美談』が満載のコンビニ本を作ったら、堅苦しい報告書よりも多くの人が読んでくれます。これまで表彰した人たちにネットで原稿を寄せてもらえば取材費もいりませんし、出版社の仕事にすれば、費用のかわりに印税が入ります」
稚拙な提案ですが、日下先生はじめ、多くの著書を誇る理事のみなさんも面白いと言ってくださいました。
自分より知恵も経験も豊かな「尊敬する先輩」から認められるのは、何より嬉しいことです。次の会で「出版計画も着々と進んでいる」と報告したところ、日下先生から「ありがとう」と言っていただけました。お金を稼いだり、名誉を得たりするよりも、師匠から褒められお礼を言われるほど素晴らしいご褒美はありません。だからこそ、人前で言う恥ずかしさなんて、吹き飛んでしまうのです。
人前で熱く語る「役者スイッチ」は、誰にでも付いています。役者や芸人に恥ずかしがり屋も多いのも、その証拠です。多くの人が「スイッチの入れ方」を体得していないだけです。スイッチを入れるべき場所は、同世代のお気楽「小勤め人」と愚痴を言い合う居酒屋ではありません。手が届かない先輩「起業家」と接する講演会や会議なのです。
起業家の前で演じることこそ、起業家=一流の役者に近づく早道なのです。
A.人前で熱く語る「役者スイッチ」は舞台に立つことで磨かれる
2013年07月01日(月)更新
【新著連載】前例がないことに挑戦できない
15万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております! ぜひコメント、トラックバックをお寄せください。
Q30、前例がないことに挑戦できない
→前例のない挑戦は、君の知らない君に会うための登山口
悩まずに動ける人と言いわけして動けない人では、同じものごとを見ても、その見え方と考え方が違います。なかでも、最も違いが出るのは、前例のないチャレンジを目の前にした時でしょう。
●「そこに、高い山があるから」どうする?
「挑みがいのある高い山」が現れた時、起業家は目を輝かせて心臓を高鳴らせているのに、小勤め人はうつむいて目をそらそうとするのです。この違いのもとはただ一つ。山を登るつらさの何倍も心地よい「山頂の眺めと美味しい空気」「言葉にできない達成感と自信」を味わったことがあるかどうかです。だから、若いうちの登山が大切です。
具体的には、常に会社の上司やキーパーソンに「山に登りたい」と言い続ければいいのです。面接の時、仕事で同行した時、食事をご一緒している時…あらゆる機会をとらえて、「新しいこと前例がないことにチャレンジしたい」と言い続けるのです。
そうすれば、上司が「山登り」をする時に真っ先に誘われるはずです。最初の山登りでは、ひどくつらい思いをするでしょうが、人間の適応力はすごいもの。何度か登るうちに不思議と体が慣れてくるものです。そして、いつの間にか病み付きになるのです。
●魔法の言葉、教えます
思えば、私の人生最初の「前例なきチャレンジ」も、上司に言い続けた「魔法の言葉」が呼び寄せたのでした。イマジニア株式会社の新卒第一期として、私は営業部門に配属されました。
しかし、隣りの部署の商品開発担当役員 飯田祥一さん(現オフィスアイ代表取締役)が、独創的な考えの持ち主で、いつも面白いお話をしてくださるのです。ですから、私も営業現場で拾ってきた耳寄りなお話を拾ってきては、飯田さんにもお話をしていました。
そして、会話が弾んでいる時に、「誰がやっても同じ結果が出る仕事はしたくない」と口癖のように言い続けていました。今、思い返すと、なんとも生意気な発言で赤面ものですが、若い時は恐れを知らないものです。
しかし、実はそれこそ「魔法の言葉」でした。日本発の株式投資ファミコンゲームソフト「松本享の株式必勝学」のプロジェクトが立ち上がった時、なぜか営業部門の私が抜擢されたからです。ただし、人材不足のベンチャーゆえ、昼は営業で、帰社後から終電まではゲーム企画という厳しい辞令でした。
よく考えてみれば、文系人間でゲーム嫌いの私がゲーム作りに挑むのは、生まれてから一度も運動や山登りをしたことがない人が、未知なる高い山に登るようなことです。しかも、ただでさえ知力や体力が乏しいのに、昼間の飛び込み営業で疲れ果てた後で登れと言われているのです。
●「損得勘定」で考えるより反射的な感情で動く
ところが、若い時は、いい意味で「うかつ」です。損得勘定を考えるより先に「なんだか面白そう」「この人と山に登りたい」と体が動いてしまうところが良いのです。
もちろん始めてみれば驚きの連続です。楽しそうなゲームも裏のプログラム作りはロジカルシンキングの嵐です。
文系人間の私には苦手…と思いきや、意外にもフローチャートを書きながらストーリーを書くのは、楽しい仕事でした。本を読んで空想するのが好きで、趣味で童話も書いていた私にはピッタリだったのです。
ロジカルというと冷徹で客観的にというイメージですが、「主人公の個性だったら、この状況なら、こんな気持ちになって、おそらくこのように動いて、こうした結果になる」と感情と行動を先読みするのは、立派な論理的思考なのだと気づきました。さらに、大学のゼミ恩師の平野先生から「あなたの言いたいことをひと言で言うと?」「なぜ?」と、さんざんしごかれてきたことも「短く結論と理由を伝える」発想と表現に役立ちました。
ひそかに、飯田さんは、私とのたわいもない会話や営業レポートの記述から、私が「ロジカルシンキング」をできる人間だと見抜いてくれていたのでしょう。そして、「誰がやっても同じ結果の出る仕事はしたくない」という「生意気きわまりない言葉」も、新しいゲーム作りに必要な気概だと感じてくださったのです。
今、考えると、飯田さんと雑談をしながら、深夜まで手探りでゲームの企画を考えて行った数ヶ月は、私にとってかけがえのない時間でした。飯田さんは、若輩の私に大切なエンディングやBGMの企画を任せてくださいました。あの面白さを若くして味わってしまったので、「前例のないプロジェクト」と聞いただけでワクワクします。きっと「自分が知らない世界」と「自分が知らない自分」に出会えるからです。
→前例のない挑戦は、君の知らない君に会うための登山口
Q30、前例がないことに挑戦できない
→前例のない挑戦は、君の知らない君に会うための登山口
悩まずに動ける人と言いわけして動けない人では、同じものごとを見ても、その見え方と考え方が違います。なかでも、最も違いが出るのは、前例のないチャレンジを目の前にした時でしょう。
●「そこに、高い山があるから」どうする?
「挑みがいのある高い山」が現れた時、起業家は目を輝かせて心臓を高鳴らせているのに、小勤め人はうつむいて目をそらそうとするのです。この違いのもとはただ一つ。山を登るつらさの何倍も心地よい「山頂の眺めと美味しい空気」「言葉にできない達成感と自信」を味わったことがあるかどうかです。だから、若いうちの登山が大切です。
具体的には、常に会社の上司やキーパーソンに「山に登りたい」と言い続ければいいのです。面接の時、仕事で同行した時、食事をご一緒している時…あらゆる機会をとらえて、「新しいこと前例がないことにチャレンジしたい」と言い続けるのです。
そうすれば、上司が「山登り」をする時に真っ先に誘われるはずです。最初の山登りでは、ひどくつらい思いをするでしょうが、人間の適応力はすごいもの。何度か登るうちに不思議と体が慣れてくるものです。そして、いつの間にか病み付きになるのです。
●魔法の言葉、教えます
思えば、私の人生最初の「前例なきチャレンジ」も、上司に言い続けた「魔法の言葉」が呼び寄せたのでした。イマジニア株式会社の新卒第一期として、私は営業部門に配属されました。
しかし、隣りの部署の商品開発担当役員 飯田祥一さん(現オフィスアイ代表取締役)が、独創的な考えの持ち主で、いつも面白いお話をしてくださるのです。ですから、私も営業現場で拾ってきた耳寄りなお話を拾ってきては、飯田さんにもお話をしていました。
そして、会話が弾んでいる時に、「誰がやっても同じ結果が出る仕事はしたくない」と口癖のように言い続けていました。今、思い返すと、なんとも生意気な発言で赤面ものですが、若い時は恐れを知らないものです。
しかし、実はそれこそ「魔法の言葉」でした。日本発の株式投資ファミコンゲームソフト「松本享の株式必勝学」のプロジェクトが立ち上がった時、なぜか営業部門の私が抜擢されたからです。ただし、人材不足のベンチャーゆえ、昼は営業で、帰社後から終電まではゲーム企画という厳しい辞令でした。
よく考えてみれば、文系人間でゲーム嫌いの私がゲーム作りに挑むのは、生まれてから一度も運動や山登りをしたことがない人が、未知なる高い山に登るようなことです。しかも、ただでさえ知力や体力が乏しいのに、昼間の飛び込み営業で疲れ果てた後で登れと言われているのです。
●「損得勘定」で考えるより反射的な感情で動く
ところが、若い時は、いい意味で「うかつ」です。損得勘定を考えるより先に「なんだか面白そう」「この人と山に登りたい」と体が動いてしまうところが良いのです。
もちろん始めてみれば驚きの連続です。楽しそうなゲームも裏のプログラム作りはロジカルシンキングの嵐です。
文系人間の私には苦手…と思いきや、意外にもフローチャートを書きながらストーリーを書くのは、楽しい仕事でした。本を読んで空想するのが好きで、趣味で童話も書いていた私にはピッタリだったのです。
ロジカルというと冷徹で客観的にというイメージですが、「主人公の個性だったら、この状況なら、こんな気持ちになって、おそらくこのように動いて、こうした結果になる」と感情と行動を先読みするのは、立派な論理的思考なのだと気づきました。さらに、大学のゼミ恩師の平野先生から「あなたの言いたいことをひと言で言うと?」「なぜ?」と、さんざんしごかれてきたことも「短く結論と理由を伝える」発想と表現に役立ちました。
ひそかに、飯田さんは、私とのたわいもない会話や営業レポートの記述から、私が「ロジカルシンキング」をできる人間だと見抜いてくれていたのでしょう。そして、「誰がやっても同じ結果の出る仕事はしたくない」という「生意気きわまりない言葉」も、新しいゲーム作りに必要な気概だと感じてくださったのです。
今、考えると、飯田さんと雑談をしながら、深夜まで手探りでゲームの企画を考えて行った数ヶ月は、私にとってかけがえのない時間でした。飯田さんは、若輩の私に大切なエンディングやBGMの企画を任せてくださいました。あの面白さを若くして味わってしまったので、「前例のないプロジェクト」と聞いただけでワクワクします。きっと「自分が知らない世界」と「自分が知らない自分」に出会えるからです。
→前例のない挑戦は、君の知らない君に会うための登山口
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