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2008年09月05日(金)更新

【社長のためのブログ道】vol.17 社長ブログの5か年計画を立てよう!

●社長ブログの5か年計画を立てよう!

企業経営と同様に、社長ブログでも
5年先のビジョンや中期計画が重要です。

5年後の社長ブログはもちろん、
全社で発信するブログやWEBサイト群の全体像を
事前にイメージすることが大切なのです。

中長期戦略なしにブログを書き続けても、
場当たり的で長続きしませんし、
効果も上がらないからです。
 
■1年目…社長がまず慣れる

まずは、社長と後継者、さらには宣伝・広報や
営業担当の幹部がブログに慣れ親しむことが大切です。

当初は来訪者数が増えず、
砂に水を撒くような気分になるかもしれません。

それでもあせらずに情報を継続的に発信する力を
身につける時期です。

練習のために無料ブログに匿名で書いてもいいでしょう。
重要なのは、社長がブログを書くのは簡単だと気づき、
広報宣伝と自己実現に役立つと実感することです。
毎日は無理でも週に少なくとも2~3回は
ブログを更新する習慣を身につけたいものです。
 
■2年目…実名で読み手を意識

社長ブログに慣れたら、早い時期に、
企業名と社長名を明記しましょう。

実名を公表することで、自ずと読み手を意識して、
面白くも役立つ情報を書けるようになるはずです。

そして、検索エンジンでの表示順位も上がり、
ネットでのご縁も広がって、少しずつ愛読者が増えてくるでしょう。

また、無料ブログを卒業して、この「経営者会報ブログ」のように、
信頼のおける有料ブログサービスで書くほうがベターです。

誰もが集う匿名の無料ブログだと、来訪者数は期待できても、
情報の信憑性が疑われやすいからです。

さらに、知的所有権が保証されて商業利用も自由になる、
有料ブログを選びたいものです。

ブログの文章を会社案内やカタログなどの販促資料に使うことも自由ですし、
将来の「社長本」出版もスムースです。

一瞬、読者が減るかもしれませんが、
社長ブログの読者も内容も、量よりも質の勝負です。

■3年目…社内外の連携を意識

この頃には、ブログを書く力も十分に身についているはずです。
ブログに書く話題にも事欠かなくなっているでしょう。

まず、第一に社内にブロガーが育って、
各部門が自発的に新商品情報やイベント情報などを発信しているはずです。
社長ブログがその後押しをして拍手を送る記事が増えるでしょう。

社外にもブログでつながるパートナーが増えるでしょう。
日頃からお世話になっているお客様やお取引先と、
お互いに感謝の気持ちを込めて、
ご紹介記事を書き合う機会が増えていくでしょう。

さらに、直接、商取引はなくとも、
心通じ合う異業種の経営者や、
教育、医療、芸術など様々な分野で活躍される方々との
“ブログ縁”も広がっているはずです。

こうした縁者同士で、それぞれの「仕事」を
自然に讃え合う記事が多くなるでしょう。
 
■4年目…ビジネス連携を意識

社長ブログは、当初「社長の趣味か余技」のように思われがちです。
しかし、量と質を高めながら三年続ければ、
ビジネス効果も顕著になっていきます。

これは、ブログでのさりげないセールストークが
うまくなっただけではありません。
むしろ、社外に広がったブログ縁のおかげで、
ご紹介が増えるからでしょう。

そのありがたいご紹介に応えるお礼記事を書くことで、
またご紹介が増えるという好循環につながるはずです。

さらに、新聞、雑誌、テレビの記者も社長ブログに気づくでしょう。
記事や番組でご紹介いただく貴重な機会に恵まれます。
その後も記者の方々とはブログ縁でつながり、
ビジネスを加速させる好機が増えていくでしょう。
 
■5年目…精神的遺産を意識

5年経って、ふとご自身の社長ブログを振り返れば、
それはかけがえのない「社史」兼「個人史」になっていることに
気づくでしょう。

企業の短期的な存続の証が決算書だとしたら、
長期的な存続の道しるべが社長ブログだと自認されるはずです。

ひょっとしたら、ブログが一冊の本になっているかもしれません。
それは個人の自己実現であるばかりか、
将来会社を引き継ぐ後継者や社員への教訓にもなるのです。

また、ご自身の精神的遺産=ブログがネットに残る限り、
後世の誰かが人生を切り開くヒントになりましょう。

※「経営者会報ブログ オフ会の効用」の予定を変更してお送りしました。

すぐやる
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。最新刊は、『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社刊)。http://kume.keikai.topblog.jp/
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