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2013年04月23日(火)更新

【新著連載】Q04.「リスク」と「リターン」を見極めるコツは?

15万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております! 
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Q.「リスク」と「リターン」を見極めるコツは?

→A.「失敗の痛み」と「成功の喜び」を繰り返し体感すること

 自分がとるべき「リスク」と「リターン」の見極め方を学ぶ王道は、たった一つしかありません。それは、実際に「前向きなリスク」を修羅場に立って主人公になることです。そして、若いうちほど手痛い失敗を重ねることです。「頭で覚えるより、体で覚えること」「考えるより、感じること」が大切なのです。

●みんなとプロが良いと言ったときほど「危険なとき」はない
 
 たとえば、近年、日本人が最も大きなリスクにさらされた「バブル崩壊」時のことを思い出してみましょう。よりによって、私は、その当時、バブルのまっただ中、日興證券本社の営業開発部に務めていたのです。亡き父に言わせれば、日興證券での修羅場を通じて得られたものが、私にとって「いちばんの財産」ということになります。
 バブル崩壊=株価の大暴落は、誰もが、日経平均4万円突破を疑わない「一億総楽観」の中で起こりました。有力新聞やビジネス雑誌でも、名だたるアナリストや経済評論家たちが、来年は株価も上昇してもっと良い年になると書き立てていたのです。
 それは証券会社内部でも同じこと、お客様をだましたのではなく、自分で自分をだましたかのように社員まで「株は上がり続ける」と信じていたのです。恥ずかしながら私も上司の勧めで、なんと暴落直前に「日興證券」株を給料天引きの借金で買ってしまいました。そして会社を辞めてから半値以下で売るという憂き目に遭うのです。
 このバブル崩壊の手痛い失敗を味わって以来、「みんなが良い」と言ったとき、特に「識者やプロがそろって良い」と言ったときほど、「危険なとき」はないと、直感的に疑うようになりました。もし、この「リスク感知力」を持っていなかったら、この20年の激動期に金融機関の言いなりになって大きな損失を被り、会社をつぶしていたでしょう。

●危機を回避しながら乗り切る「リスク突破力」

 さらに、リスクを感知した後で、危機を回避しながら乗り切る「リスク突破力」も大切です。大暴落の経験から、識者の意見にも、プロのノウハウの中にも、正解があるとは限らないと私は肝に銘じます。
 たとえば、名門の都市銀行が破綻し、合併を繰り返すとは、誰も思わなかったはずです。こうした想定外の事が重なる時に、教科書などありません。達人の参考意見を集めるにしても、最後は自分の頭で考え、自分で動かねばなりません。そこで、私が家業の久米繊維を引き継いでからは、危ない都市銀行との取引を止め、健全な銀行に絞り込みつつも、一行に頼らないようバランスをとりました。そこまでするかと支店長に呆れられ、時には脅されました。しかし、もしすばやく英断しなければ、私たちまで銀行の経営破綻に巻き込まれていたでしょう。
 こうした危機的な状況で役立ったのは、リスクをとって挑戦し続けてきた先輩経営者たちとの勉強会での交流でした。さらに、10年先を見てリスクのある研究を続けてきたITや環境問題のスペシャリストたちとの学会での勉強も大変重要でした。
「前向きなリスク」をとる達人たちは、たとえ知識や経験に乏しい若輩者でも、挑戦する若者に共感してくれます。そして、素直に耳を傾けて「すぐやる」「やり抜く」若者を応援してくれます。こうした「リスクを乗り切る達人」たちとのありがたいご縁があれば、「リスク突破力」は倍増します。だからこそ、私たちは、インターネットをいちはやく活用し、環境にやさしい商品を開発して、お客様の信頼を得られたのです。

●リスクを乗り越えることが「自分の価値」「人生の意味」

 こうして、若いうちからリスクをとりながら、失敗と成功を繰り返して行くうちに「リスク耐性」が高まっていきます。以前より、リスクをとる時に怖くなくなります。リスクをとった後うまく行かないことがあっても、慌てず対処できるようになります。さらに、失敗した後も落ち込みすぎず、教訓を得て再挑戦しようと思うのです。
 正直に言えば、私が経営している会社がつぶれるのではと、これまで何度も思ったことがありました。そのたびに怖くなり眠れないこともありました。しかし、大きな危機を乗り切るたびに、あの危機に比べれば「大したことない」「何か方策がある」「何とかなる」という前向きな気持ちがわいてきて、自分を励ましてくれるのです。
 それだけではありません。いつしか「リスクを楽しむたくましさ」が身についてくるのです。新しい挑戦をすること、リスクを乗り越えることが、自分の価値であり、人生の意味であるとさえ思うようになります。まさに「起業家体質」に変わるのです。

A.「失敗の痛み」と「成功の喜び」を繰り返し体感すること

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2013年04月22日(月)更新

【新著連載】Q03.「リスク」をとったらどんな変化がありますか?

15万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております! 
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Q.「リスク」をとったらどんな変化がありますか?

→A.自分のスキルが磨かれる、多くの師匠と出会える

 リスクをとったその時から、世界の見え方と自分の見え方が変わります。毎日の時間の流れ方も、見慣れた風景の見え方も変わります。そして、付き合う人の顔ぶれも会話の中身も変わります。何より、自分自身が変わることに驚くことでしょう。
 今だから言えますが、もともと私は自分から積極的に動く人ではありませんでした。子供のころから受身な上「ものぐさ信ちゃん」と呼ばれるほど怠惰だったのです。

●百戦錬磨の経営者たちとの真剣勝負で「修行」

 しかし、人間は環境で変わります。中でも、リスクの中に自分の体を置くと、目の色が変わって、自然に変化に対応しようと体が動きはじめるのですから不思議です。
 たとえば、私にとって一番大きなリスクをとったのは、家業の久米繊維工業に戻る決意をした時でしょう。しかも父の考えで、30歳そこそこの若造が、知識も経験もないのに、会社に戻った瞬間、「代表取締役副社長」の名刺を持たされたのです。そして、私の生涯賃金の何倍にもなるような借金の連帯保証人になりました。
 任された仕事は、集金係と称しながら内情を聞き出して、良いお客様にはさらなる売り込みを、危険なお客様には現金取引への変更を行なうという辛いものでした。なにしろ、私のお相手は、百戦錬磨の一国一城の主、繊維問屋や広告代理店の経営者や番頭さんです。一応、副社長、社長の息子として扱ってはくれますが、心の中では私の値踏みをして、スキあらば良い条件を勝ち取ろうとしています。言わば真剣勝負です。もちろん、痛い目にも合いましたが、この時ほど勉強になったことはありません。
 なにしろ、こちらは中小企業とは言えオーナー経営者、株主ですから会社のお金は自分のお金です。金の取りっぱぐれで会社がおかしくなれば、持ち株がゼロになるだけではく、多額の借金の肩代わりまでしなければなりません。ですから、集金係自体は誰でもできるルーティンワークですが、私の場合は真剣さが違いました。経営者や担当者のお話のみならず、顔色や、社員の働きぶり、倉庫の在庫まで、五感と直感をフルに働かせて、お取引先の勢いを感じ取らねばならないのです。

●真剣だからこそ、相手を知るセンサーと直感力が磨かれる

 こうした修行のような仕事をしている時は、あっという間に時間が過ぎ去ります。しかし、時間の密度が違います。短い訪問や面談時間の中で、いかに多くの情報をキャッチできるか真剣だからです。やっていることは毎月の繰り返しですが、訪ねるたびに、その会社のことや経営者のことが深く理解できるようになります。
 見慣れたお客様の事務所も、毎回違って見えてきて新しい発見があるのです。センサーと直感力が磨かれ、お客様の知識のデータベースが自分の中に蓄積されます。そして、あっという間の一年を振り返ると、知らず知らず身に付いた知識やスキルに驚かされるのです。
 もちろん、対人関係も豊かになっていきます。ただの集金相手ではなくて、まるで人生の先生のように思える方もいらっしゃいます。どうすれば、お客様のことをもっと知ることができるか、営業・コミュニケーション・与信管理などの本も山ほどよみ、セミナーにも積極的に参加しました。
 多くの師匠に出会うと同時に、中の仕事を真剣にやればやるほど、外の世界や知識に触れないといけないことも、この時学びました。

●危機的な状況でも「失敗の程度」が直感できるように

 こうした修行を3年も続けていると、自分が自分に下す評価も変わってきます。修羅場をくぐり抜けるうちに、自然に肚がすわってきて、「意外に自分もやるな。できるな」と思うようになるのです。そして、危機的な状況になっても「何とかなるな」「失敗してもこの程度で収まるな」と相場が直感できるようにもなります。何より驚くのは、いつしか「修羅場を楽しみ、乗り切ることに喜びを感じる自分」に変わったことです。
 ゲームと金融の世界しか知らなかった私が、自分の父より年上の先輩経営者、自分たちより何十倍も大きな老舗企業と、厳しい条件交渉をする。そんな、嫌で嫌で怖くて怖くてしかたなかった状況でも、まるで「チャレンジしがいのある試合」のように楽しんで出かけられる自分に、わずか3年で変わることができました。
 リスクを恐れず、変化を先取りして挑むことは、いずれ「辛いこと」から「楽しいこと」に変わります。さらに、スキルアップと人脈形成にもつながり、チャンスをものにできるのですから、若いうちにリスクをとって損をすることはないのです。

A.自分のスキルが磨かれる、多くの師匠と出会える

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2013年04月22日(月)更新

【新著連載】Q02.そもそもリスクとはどういうものでしょうか?

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Q.そもそもリスクとはどういうものでしょうか?

→A.リスクとは「成長のために欠かせない栄養素」

「リスク」を、辞書で調べてみると、【1 危険。危険度。また、結果を予測できる度合い。予想通りにいかない可能性。「―を伴う」「―の大きい事業」「資産を分散投資して―の低減を図る」2 保険で、損害を受ける可能性。(大辞泉) 】とあります。これだけを見ると、リスクは「避けたり小さくしたりすべき悪いもの」に見えます。
 しかし、Wikipediaを見ると、【リスク (risk) の定義にはさまざまあるが、一般的には、「ある行動に伴って(あるいは行動しないことによって)、危険に遭う可能性や損をする可能性を意味する概念」 と理解されている】とも書かれています。ここで注目すべきは「行動しないことによって」も危険に遭ったり損をする可能性があるとの指摘です。「何もしないこと」で、逆に「リスクが高まること」もあるわけです。

●「十年に一度、新しい改革に挑戦しないと企業はつぶれる」

 私は国産Tシャツメーカーの三代目経営者ですが、父からは「十年に一度、新しい改革に挑戦しないと企業はつぶれる」と厳しく教えられてきました。ドルショック、オイルショック、バブル崩壊、デフレスパイラルなど激動の中で、か弱き中小製造業が生き延びてこられたのも「十年に一度、新しい改革に挑戦」してきたからなのです。
 たとえば、父は、祖父から肌着メーカーを引き継いだ後、日本で最初にTシャツ作りに挑戦しました。「Tシャツ」という名前が受け入れられず「色丸首」と呼びかえてのリスキーな挑戦だったのですが、もし肌着にこだわっていたら、とっくに大メーカーや中国製品との競争に敗れていたでしょう。続いては、VANやJUNというブランドの下請けをしながら、自分たちでもブランド作りに挑戦して、脱下請けを目指しました。これも同業者からは笑われましたが、メーカーとして自立する第一歩になりました。
 さらに、FAXの普及を好機として、異業種の法人向けに、現金取引で小口数量のオープン販売をする新会社を作りました。メーカーが直販をするのかと旧来の問屋さんからはクレームもあったそうですが、もしここでお客様の幅を拡げていなかったら、バブル崩壊後に廃業に追い込まれていたでしょう。
 幼い頃から、こうした父の挑戦を見ていたからこそ、私は、インターネット、エコロジー、ソーシャルビジネスといった新境地に、リスクを恐れず挑戦できたのです。

●「リスク」を小さくしながら、「リターン」を大きくする
 
 それから、「日本国語大辞典」では、リスクに関しての名言も紹介しながら、こんなユニークな定義をしています。【〔名〕({英}risk )危険。また、冒険。(中略)*小林多喜二問題〔1947〕〈小田切秀雄〉一「賭けの精神、リスクを求める態度」 】
 つまり、「リスク」を「冒険」と前向きに訳した上で、あえて「賭けの精神」で「リスクを求める」人がいるということを、例に挙げているのです。これは、尊敬する起業家の先輩や仲間を見ても、また私自身のことを振り返っても納得のいく考え方です。
 私は、かつて証券会社で、資産運用の金融商品ポートフォリオ(組み合わせ)作成システムを作り、「リスク(損をする可能性)」を小さくしながら、「リターン(利益)」を大きくする提案をしていました。
 原則として「リスク」と「リターン」は連動します。「高いリターン」を得るためには、貯金よりも株式を増やして「高いリスク」を取る必要があります。もちろん、欲をかいて深い考えもなく「高いリターン」ばかりを追い求めると失敗します。予測が外れたり思いがけない事が起きた時「高いリスク」の代償で致命傷を負うのです。
 しかし「ほど良いリスク」に挑戦すれば「ほど良いリターン」を得られます。失敗しても致命傷にならず、むしろ大きな学びを体験できます。「リスク」を、半ば楽しんで成長しながら、より賢く「リスク」をとれるようになります。そして、より安全に「高いリターン」を得られるようになるのです。
 つまり、私にとって起業家とは「ただ業を起こす」人ではなく、「危険を上手に避けながら(リスク感知力)、適度な冒険を楽しみ(リスク耐性)、自分と組織を成長させ、時代に合わせる(リスク突破力)を兼ね備えた人」なのです。言い換えれば、起業家にとって、リスクとは「成長のために欠かせない栄養素」なのです。ところが、子供が、ホウレンソウやニンジンなど栄養のある野菜を嫌うように、多くの大人は、自己成長に必要なリスクを避けてしまうのです。

A.リスクとは「成長のために欠かせない栄養素」

2013年04月22日(月)更新

【新著連載】Q01.起業家にとって一番大切なことは?

15万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております! 
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Q.起業家にとって一番大切なことは?
 
→A.リスクをとらないリスクを知って、人生を果敢に切り開くこと
 
 起業家もサラリーマンも、自分が大切だと思う気持ち、安定が欲しい気持ちに、変わりはないでしょう。ただ、リスクとチャンスに対する考え方が違うので、行動に大きな差が生まれてしまうのです。もっとわかりやすく言うならば、「よりはやく動かなければ危険」と考える人と、「下手に動いては危険」と考える人の違いでしょう。
 
●役員手前の部長が、一番新しいことをやりたがらない
 
 私は、20代に、バブル華やかなりし大手証券会社で、新規事業を企画運営する仕事をしていました。その会社は飛ぶ鳥も落とす勢いだったにも関わらず、本社には新しいことをよしとしない文化があって、企画を通すのに苦労をしたことがあります。
 そんな時、私が尊敬する経営企画のキーパーソンから驚くべきことを教えていただきました。それは「役員手前の部長が、一番新しいことをやりたがらない」という法則でした。つまり、大企業の部長にとっては、「新規事業などに挑戦して、目覚ましい業績を挙げる」ことより「大きなミスをしでかして、出世に響くようなリスクを徹底して避ける」ことのほうが大切だというのです。
 大企業の部長となれば、多く中小企業よりも大きな組織を率いるリーダーです。それなのに、バブル崩壊と金融改革前夜なのに「寄らば大樹の蔭」で、嵐の過ぎ去るのを何もせずに待とうとする「保身」ぶりに驚きました。
 
●「何もしないリスク=リスクをとらないリスク」
 
 一方、グローバルな構造改革とデフレスパイラルの中で生き伸び、勝ち残ろうとする、ベンチャー企業や老舗企業の起業家たちは違いました。時代に合わせて、常に革新を続けなければ、あっという間につぶれてしまうと考えていたのです。「何もしないリスク=リスクをとらないリスク」の恐ろしさを、よく知っていたのです。同時に、うまくライバルに先んじて新規事業が軌道に乗れば「大きな先行者利得」を得られるチャンスも心得ていました。リスクをとって、人よりもはやく上手く動くことで、リスクは小さくなり、チャンスは大きくなることを、数々の失敗といくつかの成功を経て、深く体感し、心の底から確信するに至ったのです。
 事業の成功と失敗が、自分の懐具合や地位と直結する起業家と、一定の給料と身分が保証されたサラリーマンでは、本来リスクの大きさも違います。サラリーマンは会社のお金で賭けをしているのですから、本来なら、もっとリスクをとってもいいはずです。しかし、リスクをとって失敗した人は評価されない減点法に加え、事業の成否で給料などが大きく上下しない報酬体系では、腹の据わった起業家は育ちにくいものです。たとえ学歴などでは負けていても、自分のお金で賭けて儲けも損も自分の才覚次第の起業家は、いくつもの修羅場を経て磨かれて行きます。長い年月のうちには、ストレスに強い胆力、チャンスを見つける直感力に大きな差が出てきてしまうでしょう。
 
●「新しい仕事」「難しい仕事」「笑われる仕事」で磨かれる
 
 起業家を目指すみなさんには、とにかく20代30代のうちにリスクのある挑戦をしてもらいたいのです。どれだけ多くのリスクをとれるか、修羅場を味わえるかで、将来の「起業家力」が変わってきます。
 もちろん、最初は小さな挑戦から始めてかまいません。たとえ大企業勤めのルーティンワークであっても、与えられた仕事をこなしつつ、新しいお取引先、新しい方法、新しい商品に取り組む時間を作ればいいのです。
 リスクをとって挑戦することによって、自分のスキルも度胸も人付き合いも変わってくることに気づくはずです。やがて、自信がついてきたら、上司に、そして人事担当者に、「より新しい仕事」「より難しい仕事」をしたいと希望を伝え続けましょう。少しずつ社内起業家にふさわしい仕事に配属されるようになるはずです。新規事業などの難しい仕事に希望して回されるなんてと、まわりは驚き笑うでしょうが、気にする必要はありません。リスクをとって、人に笑われるような仕事を進んで請け負うことで、「起業家力」は磨かれて行くのです。
 
A.リスクをとらないリスクを知って、人生を果敢に切り開くこと

2013年04月22日(月)更新

【今夏出版予定! 久米信行さんの新著を当ブログで連載開始!!】

こんにちは! 日本実業出版社の前川健輔でございます。
 
久米信行さんのご著書『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』は、
2008年8月の発行から5年が経ったいまも、多くのみなさまに読んでいただいております。
 
これも経営者会報ブロガーの方々をはじめ、みなさまのご支援のおかげです。
あらためてお礼申し上げます。
 
このたび、弊社より、新たな本を出版させていただくことになりました。
書籍のテーマは「起業家・経営者に学ぶリスクのとり方」です。
 
経営環境が目覚ましいスピードで変化するなか、
「リスクをとらないことこそ、最大のリスク」ということを、
みなさまも常日頃感じていらっしゃるのではないでしょうか?
 
また、リスクに果敢に挑む、頼もしい社員は、
経営者のみなさまから見てもたいへん頼もしいのではないでしょうか? 
 
そこで本書では、
起業を志す人、経営者の思考や行動を身につけたいビジネスパーソンに向けて、
「リスクのとり方」を紹介する本として企画しました。
 
創業期ITベンチャー、大手金融機関新規事業、久米繊維工業の第二創業、IT系や地域おこし系NPO法人などの、
久米さんの起業体験と修羅場体験のエピソードをもとに書き下ろしていただきます。
 
社員や部下に「経営者視点」を身につけてほしい経営者のみなさまにも、
周囲の方々にご紹介いただけるような本をつくっていきたいと考えています。
 
今回の本も、これまでの久米さんのご著書と同様に、
製作途中の原稿を当ブログ上で、公開させていただきます。
 
今回の本も、経営者会報ブロガーのみなさま、経営者会報ブログをご覧のみなさまと、
一緒につくあげていく本にしたいと考えております。
 
今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 
●久米信行・新著情報ページ
 
●「すぐやる!」シリーズ 著者 久米信行&編集者 前川健輔ブログ
 
●経営者会報ブログ

2010年01月29日(金)更新

【社長のためのブログ道】vol.23 経営者会報ブログと無料ブログで相乗効果を

●経営者会報ブログと無料ブログで相乗効果を

ある経営者会報ブロガーから
「これまで続けていた無料ブログをどうしたらいいか」
という質問を頂戴しました。

そこで今回は「経営者会報ブログと無料ブログで相乗効果を上げる」方法を
ご紹介いたしましょう。
 
●無料ブログの知られざる短所

無料ブログの主な長所は、
 
1 無料であること
2 会員が多ければアクセス増
3 検索エンジンに強いこと

の3点です。
一方で、経営者が使うには致命的な短所もあります。
 
1 商用利用は原則禁止
露骨な販促サイトは
基本的にアウトなところが大半です。
 
2 規約を破るとブログ削除
商用サイトと見なされると、
通知なしにブログが削除されることがあります。
人気が出てアクセスが増えるほど危険です。
 
3 データ保管責任がないこと
無料ブログですから、突然、事故で記事データが消えても
文句は言えません。

4 著作権に制限があること
無料ブログの文書を出版する際、
運営業者にも権利がある場合、書き直しが必要です。
将来、社史、カタログ、出版などに活用したいなら要注意です。

5 他社の広告が入る
無料ブログ運営業者は、会員が増えた時点で
広告ビジネスを展開するのが普通です。
社長ブログに、競合会社の広告が出ていたら笑うに笑えません。
 
●経営者会報ブログの長短所

無料ブログの五大短所を解消するのが経営者会報ブログです。
正々堂々と自社の宣伝をしても、突然消されたり消えたりする心配はないのです。
書き溜めた記事を将来出版するのも自由です。

しかも、社名と個人名を公開した経営者だけが参加できる、
特別な場で発信して「ブロガーの品格」を高めることもできます。

ただし経営者会報ブログにも短所はあります。
まず月額1万円の会費という、サービスコストがかかります。

それ以上の問題は、アクセスしてくれる人の質が高い反面、
幅広い読者を確保しづらいという点です。

経営者会報ブログを主にご覧になるのは
経営者やビジネス関係の記者で、少数精鋭の価値ある読者です。

しかしエンドユーザーたる一般の個人読者を増やすには
会員数が多い無料ブログの方が有利でしょう。

そこで、お勧めなのは、経営者会報ブログを本拠地にしつつ、
無料ブログを集客のための
「コストがかからない外部拠点」として使う戦略です。
 
●2つのブログを手間なく連携

特別に難しい方法が必要なわけではありません。
まずは以下の点に気をつけて、経営者会報ブログに記事を書きます。

1 記事トップに写真
冒頭にわかりやすく興味を惹きやすい写真を
1枚おきます。
 
2 最初の数行で概要説明
新聞でいうとリードにあたる
5W1Hを短くまとめます。

3 写真と概要をコピー
上記の冒頭部分だけをコピーして、
外部ブログの新規記事として貼り付けます。

4 経営者会報ブログにリンク
外部ブログの最後に「続きはこちら」として、
経営者会報ブログへのリンクをはります。
 
これで、2つのブログの冒頭は
同じ見かけの記事になりました。

社長ブログへの入り口が2つになったので
アクセスも増えるはずです。

しかし、外部ブログで最後まで記事を読むには、
経営者会報ブログに飛ばなくてはなりません。

商売に直結する最後のお勧めリンクや、
自分の知見や感慨など、
将来、社史や著書に使いたい重要な文章は、
外部の無料ブログには書かずに、
経営者会報ブログに記します。

そうすれば、大切な文書の数々が著作権で制約を受けたり、
突然消されたりするリスクを回避できるのです。

コピー&ペーストを使った一連の外部ブログへの記事追加は、
慣れれば2~3分でできます。

既に外部の無料ブログを活用している人もいない人も、
経営者会報ブロガーへの入り口として、ぜひ有効活用しましょう。
読者層を広げ、読者数も増やせるはずです。


のーと
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。『「すぐやる!」技術』『「認められる!」技術』など著書多数。最新刊は、『「すぐやる!」技術実践ノート』(以上、日本実業出版社刊)http://kume.keikai.topblog.jp/


※本ブログは今回が最終回となります。
ご愛読ありがとうございました。(経営者会報ブログ事務局)

2009年03月27日(金)更新

【社長のためのブログ道】vol.22 社長ブログと会社ホームページの連携法

●社長ブログと会社ホームページの連携法

会社のHPが「居城の本丸」だとすれば、
社長ブログは戦略的重要地点・地帯に築かれた
「要塞」の一つということになるでしょう。

すなわち社長ブログは、会社のHPよりも、
お客様・お取引先様や、競合相手により近いところに置かれます。

そこで、社長自らが「ブログ記事=バーチャルな影武者」を使って、
より効果的な広報宣伝と集客活動を繰り返します。
そして、最後は本丸と連携しながら、強力な営業力を発揮するのです。

今回は、社長ブログから会社のHPやオンラインショップに対して、
いかに紹介リンクすれば効果的かを考えます。
 
●社長ブログが検索戦勝利の要

ネット上での戦いは、検索エンジン上での戦いとも言い換えられます。
グーグルやヤフーを使って主力商品・業種・社名で検索した時に
「自社のHPが上位に表示されるかどうか」で
新規顧客獲得の成否が大きく左右されるからです。

ここで、社長ブログが効力を発揮します。
会社のHPしかない会社と、経営者会報ブログのような
外部の有力サイトから会社のHPにリンクされている会社とでは
自ずと検索結果に差が出るのです。

たとえば、今「久米繊維工業」とグーグルで検索すると、
1位は自社オンラインショップ、2位は会社HP、3位に社長ブログが表示されます。
この社長ブログからのリンクが、オンラインショップと会社HPの上位表示に
貢献していることは疑いありません。
 
●三大事前準備=題名リンク+リンク集+ブログ署名

経営者会報ブログでは、基本設定で、
タイトル部分の会社ロゴ社名から会社のHPに
自動的にリンクが張られています。

私の場合、ここでは会社案内のHPではなく
オンラインショップにリンクしています。

メーカーとしては法人のお客様が大切ですが、
個人向けオンラインショップを見て電話を下さる法人のお客様も多いからです。

さらに、多くのブログの基本メニューである
リンク集を活用します。

ここでは会社のHPはもちろん、オンラインショップ、
社員のブログなど関連サイトに、くまなくリンクを張り、
すべてのリンク先サイトの検索エンジン対策に役立てています。

なお、メールと同じように、ブログ記事を書いた文末には
必ず電子署名を添えましょう。

主要サイトに加えて、今のお勧め商品へのリンクを添えるのも効果的です。
ブログ署名は事前に作っておいて
コピー&ペーストで簡単に文末に明記できるようにしておきましょう。
 
●毎回の記事でリンクする

何より重要なのは、毎回の記事で紹介した
「お勧め情報」に関するリンクです。

キーワード検索で探してくださった見込客に加え、
いつも読んでくださる固定読者が
「その気になってリンクボタンを押してくれる」
最重要リンクだからです。

ブログ記事の結びは「読者に役立つリンク」にするのが親切です。
ここで、どのサイトのどんなページにリンクするかがセンスの見せ所です。

ある商品を勧めるならば、
読者がすぐにネットで買い物ができる個別商品の販売ページがよいでしょう。

ここで欲張り、トップページや商品一覧ページにリンクすると、
読者はもう一度商品探しから始めなければなりません。

お客様が欲しいのは、まさにブログで紹介されていた
「目の前にある商品」です。

商品記事に飛べなければ期待を裏切ることになります。
同様に「お勧めのお店」であれば地図や予約ページに、
「法人向けサービス」であれば、
資料請求や問合せページにリンクすれば、
目的が果たせて親切です。

こうしてお勧め商品やサービスについて
一つずつ心を込めて記事を書き、
自社サイトにリンクを重ねていけば、
検索エンジンとお客様の目に留まり、
集客につながることでしょう。


すぐやる
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。最新刊は、『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社刊)。http://kume.keikai.topblog.jp/

2009年01月20日(火)更新

【社長のためのブログ道】vol.21 ブログ署名で会社と社長をPR

●ブログ署名で会社と社長をPR

最近は、文末に「電子署名」をつけないメールを見かけることは、
さすがに少なくなりました。

しかし、ブログの文末に署名をつけている人は
まだ少数派のようです。

匿名・匿プロフィールでブログを書く人が多いからですが、
経営者が、会社・社長のブランディングと集客を目的に書く
「経営者ブログ」では署名が必須でといえます。

■署名記事で文責を明らかに

新聞や雑誌の記事でも、匿名の記事と、
役職と記者名を明らかにした署名記事とでは、
信憑性と重みが違います。

ブログでは、さらに署名記事を書くことが重要です。
ブログの大多数が出所不明、文責不明で、
怪しく思われがちだからです。

企業名、社長名はもちろん、会社概要からプロフィールまで
公開している経営者ブログだからこそ、
堂々と署名を添えて責任を負いたいものです。

「ブログの題名にも名前があるから記事ごとの署名は不要」
という考えもあると思いますが、
検索してたまたま訪れた読者は、お目当ての記事だけを読んで
帰ってしまうこともあるはずです。

題名もプロフィールも見ない方もいるでしょう。

この一期一会の機会をとらえて、
会社名だけでも憶えていただくためにも
記事を読み終えた後に自然に眼がいく
「文末の署名」が効果的なのです。

また、メールと違って画像も表示できるので、
企業ロゴを署名に盛り込むのも効果的です。

このブログ署名の最大の役割は、
会社のwebサイトやネットショップへのリンク誘導です。
ブログ記事を通じて執筆者に関心をもってもらい、
署名にある会社のURLも合わせてクリックしていただくのです。

なお、上級者ブロガーなら
「今お奨めの商品」「新発売の商品」などの一行紹介コピーと
URLをさりげなく添えて、相乗効果を上げたいものです。
 
■検索エンジン対策にもなる

社長が、経営者会報ブログなど、
社外の有力ブログで書いているのであれば、
ますます署名から会社webサイトへのリンクが重要になります。

多くのロボット型検索エンジンが
「有力サイトからのリンク数」を重視して
表示順位を決めていると思われるからです。

プロフィールやリンク集からは、すでに
会社のwebサイトのトップページにリンクが張られているかもしれません。

しかし、新商品、イベント情報や経営理念、環境方針といった
個別ページにはリンクされていないはずです。

重要キーワードが含まれ、
ぜひ読者に読んでいただきたいページには、
うまく署名リンクを活用したいものです。
 
■シンプルでくどくない署名法

ただし、せっかくのブログ署名もあまり長すぎると
営業色が強くなって、くどく感じられるかもしれません。

ブログ署名の場合は、メール署名と違い、
長いURLを書かずに済む方法があります。

たとえば、「会社名」と「会社のURL」を
二行で併記する代わりに、
 会社名 と1行で記述すればよいのです。

そうすれば、署名に表示されるのは「会社名」だけになり、
そこをクリックすれば、
ちゃんと会社のwebサイトにリンクされます。

問い合わせフォームや問い合わせ方法などを示したページに
リンクすればスマートです。

私の場合、様々な種類のブログ署名、メール署名などを列挙した
テキストファイル「署名.TXT」を作って活用しています。

パソコンのデスクトップ画面に「署名.TXT」を置いて、
すぐに開けるようにしておくのです。

そうすれば、ブログを書く時やメールを書く時など、
文末に簡単にコピー&ペーストができて便利です。

さらに応用するなら、お薦め商品別、リンク先ページ別の
各種ブログ署名を用意しておくとよいでしょう。

そうすれば、まるで日替わり署名のように
変化をつけることもできます。
 
■会社共通の署名でCI

経営者以外にもブログを書く経営幹部や社員が増えてきたら、
署名も統一したいところです。

会社のロゴや名刺をデザインして統一するのと同じ発想です。

CIの一環として、ブログ署名、メール署名などを
デザインすることが今後は一般的になるでしょう。

一方で、Web2・0時代は社員一人ひとりの個性も大切です。
しかし、個性は、定型署名の中の各社員専用のキャッチコピーや
リンク先の個人ブログで表現するようにしましょう。


すぐやる
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。最新刊は、『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社刊)。http://kume.keikai.topblog.jp/

2008年12月26日(金)更新

【社長のためのブログ道】vol.20 社長ブログで年頭の挨拶をスマートに

●社長ブログで年頭の挨拶をスマートに

毎年、皆さんのもとにはたくさんの年賀状が届くことでしょう。
そのうち何通が心に残るでしょうか? 

大半は、印刷された葉書に、宛名がパソコンで印字された、
半ばダイレクトメールのような体裁のはずです。

これでは、年賀状だというだけで、
心のこもらない一枚の紙切れに過ぎません。

そこで今年は、社長ブログを活用した
スマートで心に響くお年賀の挨拶に挑戦されてはいかがでしょう。
 
■まずは写真入りでご挨拶

干支のイラストと決まり文句を印刷しただけの年賀ハガキよりも、
インパクトのある写真が使えるブログは有利です。

照れくさくもありますが、年に一度ぐらいはお客様に、
ブログで顔見せしたいところです。

紋付袴もよし、店舗で商品の中に立つもよし、
工場で社員に囲まれるもよし。

会社らしさや社長らしさが伝わり、思わず笑顔が浮かぶ写真を
社員や家族と一緒に考えたいものです。
  
■今年の夢と決意を表明

写真入りのお年賀の挨拶に続いて
今年の夢と決意を表明してはいかがでしょう。

今年の目標をいくつかに絞って、見出しと2~3行の箇条書きにします。
新商品・新サービス・新店舗・新工場など、
新しく始めることを力強く書けば、
お客様はもちろん、社員にも元気が伝わるはずです。

さらには、ご自身の潜在意識に、
夢と日程を刻みこむ一助にもなるでしょう。

すでにHPに公開している情報があれば、
その写真紹介とURLリンクもお忘れなく。
 
■10大ニュースを発表

さらに、昨年お客様のために実現した
プロジェクトやイベントなどがあれば
箇条書きにして振り返ります。
いわばわが社と私の10大ニュース発表です。

この時に役立つのは、1年間書き溜めてきたブログ記事です。
10大ニュースを箇条書きにして
該当するブログ記事にリンクを張れば完成です。

お客様が見逃した過去の記事を
目にしてくださる可能性も高いはずです。

もし決意表明と合わせた時に分量が多すぎる場合は、
お年賀ブログ第1弾、第2弾と連載にしてもよさそうです。
 
■法人と個人の絶妙のバランス

社長のお年賀の挨拶とはいえ、
公私混同メディアとしてのブログの特長を活かして、
適度に個人的な情報も発信したいもの。
中小企業の場合、社長の情報発信が
会社の魅力のアピールにつながるからです。

今年の決意や10大ニュースの中には、
ぜひ、個人的な趣味や旅行の話、
感動した映画や演劇などのお話も盛り込みましょう。
また地域貢献や社会貢献などの活動についても、
さりげなく触れたいところです。
 
■社長ブログにお年玉を

官製年賀ハガキにお年玉懸賞がつくように、
社長ブログのお年賀ページにお年玉クーポンをつけてもよいかもしれません。

クーポンを印刷して持参していただいたり、
クーポンに書かれた合言葉や答えをメールに書けば、
お年玉がもらえるようにするのです。

たとえば、お年賀の景品を差し上げたり、
商品を割引をしたりという工夫ができるでしょう。
また、ブログにトラックバックをしてくれた方にお年玉というのも一法です。
もちろん、期間限定や数量限定にすることもお忘れなきよう。
 
■年賀状やメールでブログ誘導

せっかくの社長お年賀ブログも
多くの人に読んでいただかなくてはもったいありません。

そこで、年賀状や年賀メールも合わせて出す場合には、
そこに社長ブログへの誘導URLを必ず明記しましょう。

また、お年賀の挨拶で社員が名刺くばりをするなら、
「社長のお年玉つきお年賀ブログをぜひご覧ください」と
大きく印刷したカードをお渡ししてもよいでしょう。

もちろん、会社のホームページや社員のブログからもリンクをします。
経営者会報ブログで発信している社長仲間のような間柄でしたら
相互にトラックバックをしてもよいと思います。  


すぐやる
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。最新刊は、『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社刊)。http://kume.keikai.topblog.jp/

2008年11月28日(金)更新

【社長のためのブログ道】vol.19 ブログを「社長の履歴書」にする方法

●ブログを「社長の履歴書」にする方法

すでに社長ブログを続けている方なら、
それが「会社案内」や「名刺」よりも有効なことを実感しておられるでしょう。

面談前に社長ブログを見てからお会いする方も増えて、
円滑で濃密なコミュニケーションができるようになっているはずです。

しかし、社長ブログの効能は「会社案内」や「名刺」だけではありません。
ブログを年々続けるうちに、それは社長の生き様を映し、
これまで培った知恵や見識を蓄積する「履歴書」に成長します。

いずれはブログが「社史」に匹敵する文献に集大成されることでしょう。

今回は、自社の5年後10年後を見越して
社長ブログを「社長の履歴書」に進化させる見直し方法を考えます。
 
■毎年プロフィールを見直す

社長の履歴書は、年々成長しているはずです。

事業拡大に伴い事業所や関連会社が増えているかもしれません。
社会的信用が増して新たな公職に就かれることも多いでしょう。
社内外のメールマガジン・web・雑誌などで
コラム連載が始まっているかもしれません。

幸いにして、経営者会報ブログの場合、
「プロフィール」や「個人経歴」欄には、
印刷物や他のブログのような行数・文字数の制限がありません。
ですから、毎年、少しずつプロフィールを書き足したり、
書き換えたりすることができます。

新たにプロフィールに書き加えるのは大いなる楽しみです。
ご自身の歩み、成長の軌跡を実感して噛み締めることができるでしょう。
 
■概要と公式webを見直す

プロフィールと合わせて会社概要も見直します。
経営者会報ブログの「会社概要」「主力商品・サービス」には、
必要最低限の情報しか記載されません。
ですから、会社の変貌は主に社長ブログからリンクされる
会社の公式webサイトに表現されることになるでしょう。

したがって、決算期に伴う社長ブログの見直しと合わせて
会社の公式webサイトを吟味することがお勧めです。
三月決算の会社が多いとは思いますが、
いまのうちにその腹づもりでいれば、
スムースに運ぶでしょう。

本年度の事業計画や、新商品・サービス投入は反映されていますか。
社長の頭にある企業イメージはしっかり表現されていますか。
社長ブログと企業の公式webサイトは常に表裏一体です。
共に歩みを合わせて成長する必要があるのです。
 
■期首期末の総括と決意記事
 
年末年始のごあいさつもですが、
決算期首期末の総括記事と決意表明に関する記事を
社長ブログに書くことは大切です。

これからは中小企業であっても
年次報告書を社長ブログでも発表する時代になるでしょう。

もちろん決算書の発表は重要ですが、
それよりも、なぜこうした売上と利益になったかの説明が大切です。
弊社でも、業績がよい時も悪い時も
帝国データバンク等の調査機関に決算書と合わせた年次報告書を提出しています。

次の決算後には、ぜひそれを活用してブログで発表ができればと思います。

また、期首期末に合わせて、中期と年次の経営計画を策定している企業も多いでしょう。
その中から、お取引先やお客様にお知らせしたい内容を選んで、
わかりやすく社長ブログでお伝えしたいものです。
 
■日々の小さな感動、大きな感動

経営計画や年次報告が会社と社長の大枠を映す
「マクロ」の視点だとしたら、日々心動かされる
「小さな感動」や事業の節目で味わう「大きな感動」は「ミクロ」の視点でしょう。

むしろ、「社長の履歴書」で味わい深いのは
日常の「喜怒哀楽」です。

いつもうまくいく事業もなければ
挫折を味わわない人生もないでしょう。

一筋縄ではいかないからこそ、かつてのNHKの「プロジェクトX」は
感動と共感を生んだのです。

社長ブログは広報誌ではありません。
一期一会の「その時の私」を格好をつけずにありのままに書くことです。
信用不安などの恐れからどうしてもその時は書けないならば、
苦境を乗り切った時に書きましょう。

その生き様は、むしろ社長に心から惹かれるファンを
内外に増やすことにつながるでしょう。


すぐやる
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。最新刊は、『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社刊)。http://kume.keikai.topblog.jp/
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ボードメンバープロフィール

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くめ のぶゆき氏

久米信行(くめ・のぶゆき)

1963年東京下町生まれのTシャツメーカー三代目。

慶應義塾大学経済学部卒業後、87年、イマジニア株式会社に入社。ファミコンゲームソフトのゲームデザイナー兼飛び込み営業を担当する。
88年に日興證券株式会社に転職し、資金運用・相続診断システムの企画開発、ファイナンシャル・プランナー研修で活躍。
94年に家業である久米繊維工業株式会社の代表取締役に就任。

日本でこそ創りえるTシャツを目指し、グリーン電力とオーガニックコットンを生かす環境品質と、
クリエイターとJapanCoolを共創する文化品質を追求。
個人的なTシャツコレクションも数千枚に及び、全国のTシャツアート展・ワークショップ・エコイベントを支援する。

明治大学商学部「ベンチャービジネス論/起業プランニング論」講師。NPO法人CANPANセンター理事。東京商工会議所墨田支部IT分科会長。社団法人墨田区観光協会理事。

著書に、10万部を突破した『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社)、
Amazonでビジネス3部門第1位を獲得した『メール道』と『ブログ道』(ともにNTT出版)がある。
連載は、「経営者会報」「日経パソコン」「日経ネットマーケティング」「日経トップリーダー」ほか多数。

Twitter ID @nobukume
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