大きくする 標準 小さくする
前ページ 次ページ

2008年10月31日(金)更新

【社長のためのブログ道】vol.18 社長ブログはどこで書くか

●社長ブログはどこで書くか

社長ブログは「どこで書けばよいか」というご質問をよくいただきます。
数ある有料・無料のブログサービスの中からどれを使えばよいか。
あるいは自社サイト内にブログを開設するか。
お悩みの方は多いようです。

私も様々なブログサービスを活用して書いておりますが
それぞれ一長一短です。
どれがベストかは、何を重視するかで変わってきます。

■無料ブログの魅力と弱点

私のブログデビューは楽天ブログでした。
なんといっても無料で手軽に始められるのは魅力です。
集客力は抜群で、検索エンジンにも強く、すぐに読者は増えました。

しかし、難点もありました。 

まず、読者やブログ仲間の顔が見えないのです。
来訪者のプロフィールを見ても、
実名も所属も明らかでない場合がほとんどで不安になります。

また、知的所有権の制限もあって、
将来、ブログの記事を自社のサイトなどに流用したい場合や
まとめて出版したい場合に問題が出る可能性があります。

さらに厳しいのは商業利用に制限があることです。
例えば楽天に出店しているお店へのリンクやアフィリエイトはよいのですが、
他のモールなどへのリンクはできない場合があります。

やはり無料サービスは、無料サービスゆえの限界が目につくのです。
アクセスを増やすためのPRと割り切ってお知らせだけ書いていればよいかもしれません。

しかし、読むべき人が読み、品格や信用を重んじる社長ブログを書く場としては
ふさわしくないでしょう。

■経営者会報ブログ

そこで、私は一昨年、経営者会報ブログがオープンするやいなや、
私自身の社長ブログも引っ越しをいたしました。

毎月1万円というコストに、
無料ブログに親しんだ方は驚かれるかもしれません。
裏返せばブログに真剣な経営者層しか参加できない特別な場という意味でもあります。

有料であるがゆえ、知的所有権がすべて確保されて
将来の出版にも有利です。

もちろん経営者専用のブログですから、
自社の宣伝やPRをしない方が不自然です。
アフィリエイトも自由ですから、
将来は尊敬し合う経営者同士で相互紹介をすることにもなるでしょう。

何より一番の魅力は、経営者会報の記者が、
社長ブログに注目して読んでくれることです。

もちろん、他の新聞・雑誌の記者にも愛読者がいらっしゃるので、
毎日の社長ブログが言わばプレスリリースの役割を果たしているわけです。

経営者会報の特集記事にちなんだ今週のお題に的確に答えた記事を書くことで、
取材していただく確率も高まることでしょう。

また、元気な経営者の方々にオフ会でお会いできるのも大きな楽しみです。
経済産業省のIT経営百選に選ばれた企業に
経営者会報ブロガーが多数いらっしゃることを見ても
その会で学ぶことが多いことがわかるでしょう。

■自社サイトで社長ブログ?

今のところ、私は自社のwebサイトで
社長ブログを書く予定はありません。

中小企業の場合、自社ブログでは集客力や検索エンジン対応力が
限られてしまうからです。

囲碁の名人が、碁盤を広く見て、要所要所に布石を打っては
陣地を広げていくように、社長ブログも、
自社サイトとは違う要所で書く方が効果的だと考えます。

そうすれば、検索すれば、別のサイトとして並びますし、
社長ブログから新たなお客様を自社サイトに誘導することもできましょう。

わざわざ自社サイトに社長ブログを置かなくとも、
トップページに社長ブログ紹介のバナーかリンクをはればよいのです。

■ 業界別ブログで社長ブログ

布石を置く戦略の応用として
お客様候補がたくさん見ていそうな場所で
社長ブログを書くことが考えられます。
 
今後は業界別・顧客分類別・テーマ別のブログサービスや
SNSが提供されるようになるでしょう。
やみくもアクセス数を増やすよりも、
一番読んでいただきたい読者層に
確実に毎日見ていただける方が効果的です。

異業種やマスメディアも含めて広く
自社をPRしたい場合は、経営者会報ブログのような場で書く。

特別な業種や顧客に向けて深くコミュニケーションした場合は
テーマ別ブログで書く。
こうして、状況に合わせて書く場所も内容も分けることこそ
社長ブログの理想型だと考えます。

すぐやる
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。最新刊は、『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社刊)。http://kume.keikai.topblog.jp/

2008年09月05日(金)更新

【社長のためのブログ道】vol.17 社長ブログの5か年計画を立てよう!

●社長ブログの5か年計画を立てよう!

企業経営と同様に、社長ブログでも
5年先のビジョンや中期計画が重要です。

5年後の社長ブログはもちろん、
全社で発信するブログやWEBサイト群の全体像を
事前にイメージすることが大切なのです。

中長期戦略なしにブログを書き続けても、
場当たり的で長続きしませんし、
効果も上がらないからです。
 
■1年目…社長がまず慣れる

まずは、社長と後継者、さらには宣伝・広報や
営業担当の幹部がブログに慣れ親しむことが大切です。

当初は来訪者数が増えず、
砂に水を撒くような気分になるかもしれません。

それでもあせらずに情報を継続的に発信する力を
身につける時期です。

練習のために無料ブログに匿名で書いてもいいでしょう。
重要なのは、社長がブログを書くのは簡単だと気づき、
広報宣伝と自己実現に役立つと実感することです。
毎日は無理でも週に少なくとも2~3回は
ブログを更新する習慣を身につけたいものです。
 
■2年目…実名で読み手を意識

社長ブログに慣れたら、早い時期に、
企業名と社長名を明記しましょう。

実名を公表することで、自ずと読み手を意識して、
面白くも役立つ情報を書けるようになるはずです。

そして、検索エンジンでの表示順位も上がり、
ネットでのご縁も広がって、少しずつ愛読者が増えてくるでしょう。

また、無料ブログを卒業して、この「経営者会報ブログ」のように、
信頼のおける有料ブログサービスで書くほうがベターです。

誰もが集う匿名の無料ブログだと、来訪者数は期待できても、
情報の信憑性が疑われやすいからです。

さらに、知的所有権が保証されて商業利用も自由になる、
有料ブログを選びたいものです。

ブログの文章を会社案内やカタログなどの販促資料に使うことも自由ですし、
将来の「社長本」出版もスムースです。

一瞬、読者が減るかもしれませんが、
社長ブログの読者も内容も、量よりも質の勝負です。

■3年目…社内外の連携を意識

この頃には、ブログを書く力も十分に身についているはずです。
ブログに書く話題にも事欠かなくなっているでしょう。

まず、第一に社内にブロガーが育って、
各部門が自発的に新商品情報やイベント情報などを発信しているはずです。
社長ブログがその後押しをして拍手を送る記事が増えるでしょう。

社外にもブログでつながるパートナーが増えるでしょう。
日頃からお世話になっているお客様やお取引先と、
お互いに感謝の気持ちを込めて、
ご紹介記事を書き合う機会が増えていくでしょう。

さらに、直接、商取引はなくとも、
心通じ合う異業種の経営者や、
教育、医療、芸術など様々な分野で活躍される方々との
“ブログ縁”も広がっているはずです。

こうした縁者同士で、それぞれの「仕事」を
自然に讃え合う記事が多くなるでしょう。
 
■4年目…ビジネス連携を意識

社長ブログは、当初「社長の趣味か余技」のように思われがちです。
しかし、量と質を高めながら三年続ければ、
ビジネス効果も顕著になっていきます。

これは、ブログでのさりげないセールストークが
うまくなっただけではありません。
むしろ、社外に広がったブログ縁のおかげで、
ご紹介が増えるからでしょう。

そのありがたいご紹介に応えるお礼記事を書くことで、
またご紹介が増えるという好循環につながるはずです。

さらに、新聞、雑誌、テレビの記者も社長ブログに気づくでしょう。
記事や番組でご紹介いただく貴重な機会に恵まれます。
その後も記者の方々とはブログ縁でつながり、
ビジネスを加速させる好機が増えていくでしょう。
 
■5年目…精神的遺産を意識

5年経って、ふとご自身の社長ブログを振り返れば、
それはかけがえのない「社史」兼「個人史」になっていることに
気づくでしょう。

企業の短期的な存続の証が決算書だとしたら、
長期的な存続の道しるべが社長ブログだと自認されるはずです。

ひょっとしたら、ブログが一冊の本になっているかもしれません。
それは個人の自己実現であるばかりか、
将来会社を引き継ぐ後継者や社員への教訓にもなるのです。

また、ご自身の精神的遺産=ブログがネットに残る限り、
後世の誰かが人生を切り開くヒントになりましょう。

※「経営者会報ブログ オフ会の効用」の予定を変更してお送りしました。

すぐやる
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。最新刊は、『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社刊)。http://kume.keikai.topblog.jp/

2008年06月23日(月)更新

【社長のためのブログ道】vol.16 “ブログ3分法”で自然なネットコミを喚起

●“ブログ3分法”で自然なネットコミを喚起

社長ブログを書く時にお悩みになるのは
どこまで自社の宣伝をしてよいかという
「間合いや按配」でしょう。

自社商品の宣伝ばかりでは、逆に読者が離れてしまいそうです。
かといって趣味やグルメの話ばかりでも、
社長の人格が疑われてしまうかもしれません。

そこで、私は「自社の宣伝広報」「敬愛する縁者のご紹介」
「個人や家族のこと」について3分の1ずつ記事に書く、
「ブログ3分法」を心がけています。
 
■敬愛する縁者のご紹介

まず一番大切なのは、敬愛する縁者に関わる情報のご紹介でしょう。
お取引先、勉強会や商工会の仲間、
メールやブログを交換している友人などとの日々の交流のなかに、
ブログ記事にふさわしい内容があるはずです。

最初は「今日お会いした時、こんな素晴らしい話を聴いた」という
日記的な記事でもかまいません。
やがて、社長ブログの活用が進めば、ここぞという時、
縁者の商品やイベントをご紹介したくなるはずです。

「新商品の発売」「新店舗の出店」といったビジネスの新展開から
「新聞・雑誌で紹介された」「本を出版した」といった特別なイベントまで、
ブログで紹介したくなるニュースは、縁者の数だけ増えていきます。

ブログでご紹介すれば、縁者に大変喜ばれることはいうまでもありません。
縁者から思いやりにあふれたご紹介を受けた時には、
特別な感激を覚えるはずです。
いつか自分も報いなければと感じる方も多いでしょう。

そればかりではありません。

記事を書いたご自身も
自社PRをした時とはまた違う清々しい気持ちになるはずです。

元来、誰もが自分の好きな人や好きなものを
より多くの人に伝えたいという欲求を持っているのかもしれません。

ブログを書いていると
人に伝える心地よさを感じることが多々あります。

こうした感謝感激の心こそ、ブログでの相互紹介を
自然に育む原動力だと思うのです。
 
■個人や家族の些細な出来事

ブログ3分法で、もう一つ大切なテーマは
「個人や家族のこと」でしょう。

もちろん、最近読んだ本、出かけた演劇や音楽会の話でもいいでしょう。
いま打ち込んでいる趣味やスポーツのことなども最適です。

しかし、本当に読者や縁者が知りたいことは、
実はもっと些細な出来事なのかもしれません。

ブログの来訪者数などを見ますと、不思議なことに気づきます。

残念ながら、心を込めて経営理念を語った日よりも、
昨日食べた美味しいカレー屋さんの話をした日の方が
来訪者も反響も増えることが多いのです。

また、家族の話をするとブログが盛り上がることを、
すでに経験されている社長ブロガーも多いでしょう。

家族の話といっても
プライバシーに関わる写真入り名前入りの話題を書く必要はありません。

たとえば、子供と見ているアニメの話をさりげなく書いたら
予想外に盛り上がって驚いたことがあります。

また、日曜日に公園で子供とキャッチボールを楽しんだという、
さりげない一行に反応する縁者もいらっしゃるのです。

おそらく、多くの人が思い描く「社長のイメージ」は
かなり偏っているのかもしれません。

だからこそ、身近で普通の生活をしている、
社長の日常に共感していただけるのでしょう。
 
■ここぞという時の自社PR

3分法の最後に、ようやく自社の宣伝広報となります。
ここで最重要の商品やイベントなどを中心に記事を書くことになるでしょう。

しかし、縁者をご紹介している時も
個人の趣味や家族の話をしている時も、
実は自社PRに貢献しているはずです。

なぜなら、中小企業においては社長こそが会社の顔だからです。

社長ブログ時代には、社長のお人柄や暮らしぶりまでがブランディングに結びつきます。
ブログで社長の日常に興味をもち共感しているからこそ、
ここぞという時の自社PRも真摯に受け止めてもらえるのでしょう。

そして、頼まれるまでもなく、
ご自身のブログで紹介してくださる人が増え、
自然なネットコミが広がっていくのです。

■トラックバックでネットコミと縁を広げる

付け加えると、敬愛する縁者のブログを読んで、
そこに書かれたお勧め商品やイベント情報を
ご自身のブログで紹介して応援したくなる場合も多いはずです。

そんな時は、ただ記事を書くだけでなく
トラックバック機能を合わせて活用しましょう。

トラックバックとは、縁者のブログ記事から、
ご自身の応援記事へのリンクを貼る機能です。

たとえば、縁者の新商品紹介記事から
「その商品を試したら最高」というご自身の記事にトラックバックすれば、
読者は双方の記事を読んで
理解と信頼を深めることができるのです。

その手順は…

①縁者ブログ記事でトラックバックURLをコピー

②ブログ記事入力のトラックバック欄にペースト

③ブログ記事文末に縁者ブログへのリンクを

親しい縁者以外には
メールなどでトラックバックの了承を受けましょう。

また、記事の文末に、縁者ブログへのURLリンクを貼るのが礼儀です。
その結果、相互リンクとなり、読者を誘導しあう効果や
検索エンジンの上位に表示される効果が期待できます。

ネットコミがさらに広がるのです。

次回は「経営者会報ブログ オフ会の効用」です。

ブログ道
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。http://kume.keikai.topblog.jp/

2008年04月25日(金)更新

【社長のためのブログ道】vol.15  社長ブログをすばやく簡潔に書く極意

●社長ブログをすばやく簡潔に書く極意

社長ブログをお勧めした時、
躊躇される社長さんが口にする理由のトップ3が
「時間がない」「書く内容がない」「文才がない」の「三ない」です。

ご心配されなくとも、三日、三か月、三年と続けるほどに上達することは、
多くの先輩社長の例が証明しています。
さらにブログには、通常の文章よりも「すばやく簡潔に書く極意」があります。
以下ご説明します。
 
■中身がわかる題名を

本文を読まなくても題名で記事の概要が伝わるのが
最良の心配りです。

多忙な読者にも親切ですし、
ブログの本文を短くすることにもつながるからです。

最初は、題名に主題を書くのは、
オチがわかってしまう気がして躊躇するかもしれませんが、
ブログに慣れるほど題名を大切にするようになります。

題名に会社名・商品名などのキーワードや流行語などを盛り込むことで、
読者の興味を惹くばかりか、検索エンジンの上位にも表示されると実感できるからです。

達人を目指すなら、新聞広告や電車の中吊り広告にある
週刊誌の記事名をチェックするのがお勧めです。
ご自身が読みたくなった記事の題名に
その極意が隠されているはずです。

■100行の文章より1枚の写真を

ブログが短くて済む最大の理由は
関連する写真を簡単に貼れることにあります。
1枚の写真が状況を文章以上に雄弁に物語ってくれるのです。
 
ブログには小さな画像しか貼れませんので、
プロの報道写真のような品質は不要です。
むしろ、少しピンボケぐらいの方が、生々しくてブログ的なのです。

デジカメを持ち歩くのが大変であれば、カメラ付き携帯電話でも十分。
私は携帯電話で撮影したら、そのまま自分のパソコンのメールアドレスに送ってしまいます。
その写真を後でブログを書くときに使うのです。

また、新聞や雑誌などを見ると、
報道写真の下に脚注としてコメントが添えられています。
この1行コピーは、本文よりもはるかに注目度が高いのです。

商品写真なら、商品名・特長・価格を、
設備の写真では装置名・機能・精度を、
人物の写真であれば、所属・お名前・ご紹介文を添えましょう。

たった1行でも本文で詳しく説明するよりも効果的です。
題名と同様に写真と脚注を工夫すれば、本文は簡潔にできるのです。
 
■最初の数行で5W1Hを

新聞記事を見ると、見出し・小見出しに続いて
全体概要が冒頭の数行で書かれています。

冒頭に記事の背景となる5W1Hが書いてあれば、
読者は、わかりやすい題名や写真+脚注と合わせて
記事の概要をすばやく把握できるでしょう。
 
■実体験の感慨を

冒頭で概略を伝えることができたら、
ブログで一番大切なメッセージを書きます。
それは、ご自身にしか書けない実体験情報と、
それを通じて得られた感慨や知恵などです。

ネット上に渦巻く多くの情報は
コピー&ペーストされた伝聞情報(二次情報)だといわれます。
そのなかにあって輝きを放つのは、
ご自身が体感し、感じ、考えたオリジナル情報(一次情報)なのです。
そのメッセージは簡潔で明解にして、1文節、1行~数行で十分でしょう。
 
■締めは関連URLリンクで

ブログの最後は、今回の記事に関連した、
より詳しいページへのURLリンクで締めましょう。
たとえば、商品紹介の記事ならば商品購入ページに、
取引先紹介の記事ならば取引先ホームページにリンクするのです。

そうすれば、読者はブログの記事で興味を持ったことについて、
より詳しいwebページに飛んで情報収集できます。
その結果、商品購入などの次のアクションに結びつくわけです。

また、メールはともかく、
ブログ記事の文末に電子署名をつけている人は少ないようです。
しかし、社長ブログでは、
社長名に加えて、会社のURLなども署名に加えてリンクしましょう。
私も一人でも多くの読者を会社のホームページにご案内したい一心で
毎回のブログ記事に電子署名を添えています。

■自社ホームページの画像をブログに活用する技法

ここで自社ホームページの画像をうまく活用するワザも記しておきましょう。

社長ブログの記事に、自社のお薦め商品や店舗などの画像を
貼り付けたいと思うケースは多いでしょう。

そんな時は、わざわざデジカメで撮影して
ブログに登録する必要はありません。

自社のホームページにある画像を流用して
リンク先を記載するだけで、記事に表示することができます。

その手順は以下の通りです。
①ホームページの中から表示したい画像を探す
②その画像に矢印を合わせマウスを右クリック
③開いたウインドウにある画像のURLをコピー
④ブログ記事の中で画像を貼りたい位置を選ぶ
⑤< IMG src="" >と入力
⑥< IMG src="" >の""の中にURLをペースト
※ブログ上で表記するために < や > と文字の間を一角空けていますが、
実際は詰めますのでご注意ください

これでブログに画像が表示されます。

たとえば、“”の中にhttp://kume.jp/img/kume_ileft01.gifと記載すれば
次のような弊社のロゴが表示されるのです。



私は、ワープロの単語登録を活用して
「いめ」と入力すれば < IMG src="" >と変換されるようにしています。
そうすれば毎回の入力が省けます。

次回は「ブログ三分法で自然なネットコミを喚起する」です。

ブログ道
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。http://kume.keikai.topblog.jp/

2008年03月21日(金)更新

【社長のためのブログ道】vol.14  経営理念と社会貢献をPR

●ブログで経営理念と社会貢献をさりげなくPR

尊敬する先輩経営者にお会いしますと、
どなたも確固たる経営理念をお持ちです。
さらに本業のみならず、地域に根ざした公益活動を通じて
社会貢献を続けておられることに感銘を受けます。

とはいえ、経営理念や社会貢献活動を広報することは簡単そうに見えて難しいもの。
ホームページで高らかに謳っても説得力が無かったり、
野暮に見えたりしそうですし、
会社案内の中に控えめに書いても、印象には残らないでしょう。

しかし、社長ブログを上手に活用すれば、
経営理念と企業の社会的責任をさりげなく、
しかも継続的にアピールできます。
 
■お客様の紹介記事で

社長ブログには、大切なお客様やお取引様をご紹介する記事が多いはずです。
そこには自ずと経営理念の断片が表現されましょう。
たとえば「地球環境に優しい商品を販売されている○○社様は、
長年、弊社のオーガニックコットン製品をご愛用」と書けば、
読者は、お取引先も貴社もエコロジーを重視した企業だと感じるでしょう。

また、お客様からのご苦情やご要望にお応えする記事には、
企業や経営者の姿勢が最もよく表われます。
「先日□□社様から、追加生産の納期が長すぎるとのお叱りを受け、
一年以内に納期を○日縮めるプロジェクトチームを結成」とあれば、
お客様の声に常に耳を傾け、ご要望に応えようとする姿勢が伝わることでしょう。

改革プロセスも逐一ブログでご紹介すれば、
そのお取引先以外のお客様まで応援してくださるかもしれません。
 
■製品・サービス紹介記事で

プレスリリースや商品カタログ・ホームページには、
新商品の仕様や特長、価格や方法などが
簡潔に書かれている場合が多いと思います。

しかし、それだけでは
「なぜ今この商品を世に問うか、なぜ自社が手がけるか」は
なかなか伝わりません。

そこで、たとえば社長ブログに
「新発売の商品は、誰もが簡単にオリジナル商品を作れるものです。
私たちの経営理念『すべての人に創造の喜びを』を形にした自信作です」と書けば、
その新商品にはメッセージが宿ります。
さらに、発表から正式発売までの間に
『プロジェクトX』のような形で開発秘話を連載するのもよいでしょう。

商品発売に漕ぎ着けるまでの様々な苦労を乗り越える時に、
経営理念や社会貢献への意識が後押ししたはずです。
各担当者の言葉を引用しながら商品に込めた想いを紹介すれば、
経営理念が新商品に脈々と生きていることが伝わるでしょう。
 
■人財・パートナー募集記事で

これからは、社長ブログを通じて、
求人募集や、代理店・特約店やアフィリエイト募集を
側面支援するケースが増えます。
経営理念に共鳴する方に社員やパートナーになってもらううえでも、
こうした機会には、経営理念を強調して書かれればよいと思います。
社長ブログで公募を行なうことで、
第三者に広く経営理念や社会貢献活動を伝える効果も期待できます。

通常、ホームページに社員募集の告知があっても当事者以外は読まないものですが、
ありがたいことに、社長ブログには立場やテーマを問わず
毎日読んでくださるファンがいらっしゃいます。
定期的に求人記事を書くことは、
形を変えた経営方針発表会に相当するのかもしれません。
 
■社会貢献イベント紹介記事で

地元のお祭り、募金、清掃活動など地域に根ざした社会貢献イベントに参加したなら、
その感想などをブログに書くのが自然でしょう。
大企業のような高額の寄付は無理でも
「毎年、地元のイベントを支援」といった等身大の活動を
地道に続けている中小企業は多いはずです。
それを社長ブログにさらりと書けば、好感が広がるでしょう。

また、地元の商工団体やNPOなどでご活躍の経営者も多いはず。
こうした団体の公益活動を社長ブログでPRをすることも効果的です。
その公益活動の意義と合わせて、経営者ご自身の考えと行動を、
数多くの人に知っていただくことができるからです。

■例・NPO法人の活動応援ブログと相互リンク効果

ここで私自身の例を挙げます。
以前、ドメスティックバイオレンス被害者者支援のチャリティーイベント
「第一回Tシャツアート展」をご支援する機会がありました。
ただTシャツ製作のお手伝いをするだけではなく、
社長ブログ、社員ブログも活用したネット広報活動でも
微力ながら応援させていただきました。

作品の公募から展覧会中の集客のお手伝いまで、イベントの進行に合わせて、
経営者会報ブログはじめ、弊社関連メディアでご案内を続けたのです。

おかげさまでイベントは成功を収めました。さらにありがたいことに
Tシャツアート展ホームページの記事紹介欄で
「経営者会報ブログで紹介」と相互リンクまでしてくださったのです。

この相互リンクのおかげで、
このイベントに賛同した参加クリエイター、来場者、
NPO関係者、マスコミ関係者のみなさんが、
私のブログを見てくださったかもしれません。
そして私たちの企業姿勢や社会貢献活動を知って、
共感してくださったかもしれません。
NPOの活動を社長ブログで応援することは、
時に大きな「縁」を育んでくれるのです。

■「第1回Tシャツアート展で感銘を受けたメッセージの数々」>>>
http://kume.keikai.topblog.jp/blog/112/10001143.html

次回は「社長ブログをすばやく簡潔に書く極意」です。

ブログ道
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。http://kume.keikai.topblog.jp/

2008年01月17日(木)更新

【社長のためのブログ道】vol.13 事業承継にブログを活かす

けいかい12
久米信行氏の『社長のためのブログ道』は
「月刊 経営者会報」にて好評連載中です。
詳細とご購読のお申し込みは、
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm 
をご参照ください。(編集部)

●事業承継にブログを活かす

中小企業にとって、事業承継問題は
最も重要な経営課題の一つでしょう。

自社株や相続税の問題ばかりではありません。
後継者が、社員、取引先、金融機関、株主などのステークホルダーから
先代にもまして信用を得られるかどうかも大きな問題です。
その意味で、新しい事業承継策の一環として提案したいのが、
社長と同時に、後継者がブログを始めることです。
 
■ブログで後継者の姿が見える

中小企業では往々にして経営者の発言ばかりが目立ちがちですが、
後継者候補がブログを始めれば、社員、取引先、金融機関も、
次期社長がどんな夢と理念をもっているのか、
日々目にすることができます。

計画実行力や持続力を兼ね備えているかどうかも
ブログから伝わるでしょう。
さらに、先代から何を引き継ぎ、何を改革しようとしているかも伝わり、
企業の十年後の姿も自ずとイメージされていくことでしょう。

こうして後継者の能力・人格や経営理念・ビジョンに、
社内外の関係者が共感できるようになれば、
自ずと信用が集まり、ファンも増えていくはずです。
 
■後継者候補全員でブログ競争

もしも経営者候補が何人かいらっしゃるようでしたら、
社長と一緒に候補者全員でブログを始めることを提案してはいかがでしょう。

社長の目から各自のブログを読めば、

・誰が経営理念や方針を血肉にしているか
・新しい発想をもっているか
・社内外に良縁を広げているか

などを、じっくり感得できるはずです。

さらに、後継者候補のブログを、
主要な役社員、取引先、金融機関などにも読んでもらい、
定期的に意見を聴くのもよいでしょう。
それぞれの立場の方々が「後継者として誰がふさわしいと見ているか」がわかり、
決断の参考にできると思います。

もちろん、後継者候補同士で、それぞれブログを読みあって、
褒めあうコメントをするのもお勧めです。
各部門の利害代弁者としてコミュニケーションが疎かになりがちな、
リーダー間の相互理解を深めていくことにもなります。

ところで、かつて
GEのジャック・ウエルチ氏がCEOに大抜擢されたのは、
トップが全役員に発した「自分以外なら誰がCEO適任者か」
という問いへの答えが鍵になったそうです。
「自分以外で」と「個別」に尋ねるところが
利害関係を排除するポイントのようです。

中小企業でも、同様の問いを役員のみならず社員にまで広げて、
個別に投げかけるとよいかもしれません。
この際、ブログで候補者のことが知られていることが重要になるでしょう。

創業者やオーナーが先代だった場合、
代替わりで求心力が落ちてしまいがちですが、
他部門からも信任が厚い人を選べば、
そうしたマイナス面に関しても、
最小限にすることが期待できるのではないかと思います。
 
■後継者が決まっている場合は

同族経営の中小企業では、
暗黙の了解で次期後継者がご子息などに決まっている場合も多いでしょう。
そんな場合も、後継者ブログが役立つはずです。

こうした場合、あえて後継者のみがブログを立ち上げるのも一法です。
そこで父からの教えも合わせて発信すれば、
優れた経営のDNAを受け継ぎ、ITも駆使できる後継者像を
アピールすることができるでしょう。

私も実質創業者を父にもつ同族後継者でした。
社内外から「お坊ちゃん」と見られる
冷たい視線を感じながら仕事をしていました。

そんな時期にメルマガなどで情報発信をして、
社内外に理解者を増やしていくことで、
少しずつ自信がつき信用も積み上げられたと思います。

事業承継のタイミングも、ブログで判断できる日が来るかもしれません。
後継者ブログのほうが来訪者数、記事数や内容、行動計画の新しさ、
そして何より夢と志の大きさで、
先代に追いつき、凌駕する兆しが見えてきた時に、
バトンタッチをするのです。

私も、いつかそんな、“八方喜ぶ”事業承継をしたいと考えています。
 
■後継者ブログ 7つの心得

最後に、後継者がブログを書く時の留意点を記します。
まずは、新し物好きで伝統を省みない、
贅沢で派手好き、頭でっかちで数字や現場に弱いといった
「ありがちな後継者」のイメージを意識します。
その悪いイメージを払拭するように書くのです。

すなわち先代を重んじ、地に足を着けつつ、
進取の精神をもって挑戦していく「バランスの取れた後継者」の姿を目指します。
具体的には以下のポイントを押さえて書かれるとよいと思います。

・先代社長の理念を守り、言葉を引用する。
 同時に先代のコピーにとどまらずプラスαを書く
・各現場と知恵や工夫に気づいて褒める
・お取引先が喜んでくださる紹介記事を書く
・大きな夢・志について繰り返し書く
・具体的な行動や、経営数字に基づいて書く
・贅沢な遊びの話より、日々学んだことを書く

経営者会報ブログの場合、
共通カテゴリ=経営課題に関する記事を
一つずつ書いては埋めていくのもよいでしょう。
きっと、バランスの取れた能力開発に役立つはずです。
その記事を書くために、
書籍やセミナーで勉強したり、
現場スタッフに学んだりすることになるからです。

次回は「ブログで経営理念と社会貢献をPRする」です。

ブログ道
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。http://kume.keikai.topblog.jp/

2007年12月20日(木)更新

【社長のためのブログ道】vol.12 社長ブログの会社概要とプロフィール

けいかい12
久米信行氏の『社長のためのブログ道』は
「月刊 経営者会報」にて好評連載中です。
詳細とご購読のお申し込みは、
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm 
をご参照ください。(編集部)

●社長ブログの会社概要とプロフィール

社長ブログに書く会社概要やプロフィールには、特別な配慮が必要です。
会社案内やカタログで使い慣れた文章をそのまま流用しても、
ネット広報効果が得られない場合があるのです。
 
もちろん、会社の実態や実績をお知らせして信頼を勝ち得るという目的は
ブログも会社案内も一緒です。

しかしブログでは配慮したい点が二つあります。
まず「検索エンジン対策」として「キーワード」を吟味して並べること。
さらに、仕事を離れた時の社長個人の趣味や人柄を伝える個人情報。
これらが、ご縁を広げ、深めるうえで欠かせません。
 
■お客様が使う検索キーワード

社長ブログを続ける第一の目的は、新規のお取引先を探すことでしょう。
これまでお取引のなかったお客様が検索エンジン経由で社長ブログに出会い、
会社のホームページ以上の濃密な情報と親密な情感に感銘して、商いのご縁が始まるはずです。

検索エンジンで見つけていただくには、検索キーワードが何よりも大切です。
お客様が検索するであろうキーワードが社長ブログの要所にちりばめられていなければ、
未来のお客様は社長ブログを見つけることができません。
現実には検索キーワードを吟味して
会社概要や記事を書いている社長ブログは、まだ少ないようです。
 
■検索キーワードを書き連ねる

まず、どの検索キーワードが重要なのか、そのランキングを知ることです。
この時、役立つのが「キーワードアドバイスツール」。>>>
http://inventory.jp.overture.com/d/searchinventory/suggestion/

これは、前月にどんなキーワードでの検索が多かったか調べるツールで、無料で使用できます。

ここで見つかった重要キーワード・ランキング上位の言葉を社長ブログに盛り込めば効果的です。
この時、検索エンジンが重視する次の順番に、重要キーワードを散りばめていきます。

 1 ブログの題名
 2 ブログの説明文
 3 会社概要
 4 プロフィール
 5 カテゴリー
 

経営者会報ブログの場合、その題名には、
すでに会社名、経営者名・主力商品・業態名が盛り込まれていますので、
まずはひと安心です。
とはいえ、ブログの説明文はもちろん、
会社概要、プロフィールにも、重要なキーワードを網羅しておく必要があります。
 
■プロ向け専門用語では不十分

こうした重要キーワード選びにはバランス感覚が大切になります。
その道のプロで、それもプロ相手の商売をしている人ほど、
業界でしか通用しない専門用語を多用しがちだからです。

もしも、引き続き同業のプロのお客様様だけを相手に商売するのでしたら、
専門用語が並ぶブログを作ってもかまいませんが、
異業種の法人や一般の個人といった新規のお客様も開拓したいのであれば、
アマが検索しそうな一般的なキーワードも選ばなくてはなりません。

いくら専門用語を並べたところで、それを知らないアマチュア客が
検索時に専門用語を使わなければ、社長ブログは蚊帳の外です。

未来のお客様を逃したくなければ、
プロ向けの専門用語の後にカッコ書きで
アマ向けの平易な一般用語を添えるといった工夫が必要でしょう。
 
■プロフィールに社長の趣味を

会社案内やホームページに、社長の個人的な趣味を書くことはないでしょう。
しかし、社長ブログでしたら思い切り書くことができます。

あまりに高級な趣味は嫌味に見えたり嫉妬を買うのでお勧めできませんが、
愛読書や好きな映画・音楽・料理などについて書くと、
共通の趣味を持つ縁者に出会う、よいきっかけとなります。
書名や曲名などを検索することで社長ブログに行き当たることも少なくないからです。
社員やお取引先などが、社長との共通の趣味に気づけば、
一気に親密にもなれそうです。

そうした趣味面の好みには、自ずと人柄や人生観がにじみ出ます。
社長ブログを通じて、そうした社長の内面的な魅力に触れてもらえますし、
会社の好イメージにもつながるはずです。
ほどよく「公私混同」して、
社長と会社の魅力を少しずつ同時に伝えたいものです。

次回は「ブログでできる事業承継準備」です。

ブログ道
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。http://kume.keikai.topblog.jp/

2007年11月01日(木)更新

【社長のためのブログ道】vol.11 ブログは未来の人財と出会う最強ツール(3)

けいかい10
久米信行氏の『社長のためのブログ道』は
「月刊 経営者会報」にて好評連載中です。
詳細とご購読のお申し込みは、
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm 
をご参照ください。(編集部)

●社長ブログは未来の“人財”と出会う最強ツール(3)

人財募集のためのブログ記事を書くのは決して難しくはありません。
私のブログを参考にしてみてください。

http://kume.keikai.topblog.jp/blog/109/10000166.html

このとき、まず心がけたのは
1回の記事に書かずに7回連載にしたということです。

一度にまとめようとすると、冗長になってしまうか、
単なる求人票になってしまうかのどちらかだからです。
 
そこで、次のように内容を分け、小出しにして興味を惹きました。
 
1 私たちの会社紹介
2 求める人財像
3 私たちが目指す未来
4 募集(ネット店長/ブログ編集長候補)
5 製品・応援プロジェクト紹介
6 未来の上司・仲間からの一言
7 採用までのステップ


そして、単に会社概要を淡々と書くのではなく、
経営方針書そのままに、経営理念や将来ビジョンを冒頭に謳いました。
 
すなわち、経営幹部や社員と同じメッセージを送ることにしたのです。
なお、あえて具体的な給与や処遇は書きませんでした。

まずは、条件よりも、社長のメッセージに共鳴してくれる人を
登用したかったからです。
 
以上、社長ブログで未来の人財を獲得する方法について述べました。
 
次回以降は、会社概要とプロフィールをいかに効果的に示すかについて
説明していきます。

ブログ道
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。http://kume.keikai.topblog.jp/

2007年04月25日(水)更新

【社長のためのブログ道】vol.10 ブログは未来の人財と出会う最強ツール(2)

経会4
久米信行氏の『社長のためのブログ道』は、「月刊 経営者会報」にて好評連載中です。詳細とご購読のお申し込みは、http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm をご参照ください。(編集部)

●社長ブログは未来の“人財”と出会う最強ツール(2)
 
■中小企業最大の資産と魅力は社長自身の夢と志 

 未来の人財に対してどんなメッセージを贈るか。
 
 重要なことは、ブログを通じて、社長自身の夢や志を語り続けることでしょう。それは、いつも役社員の前やビジネスパートナーの前で、熱く語っていることで結構です。
 
 思い返せば、私が創業ベンチャーであるイマジニアに新卒第一期として入社したのも神蔵孝之社長の夢と志に心打たれたからでした。
 
 最近入社してくれた優秀な新入社員も、当社のモノづくりの姿勢のみならず、オーガニックコットン普及に代表される環境問題対応、NPO/NGO支援等の社会貢献活動に共鳴したと言います。
 
 大企業勤務時代、社長の言葉に直接接するのは年に数回でした。また、私も書いたことがありますが、スタッフが用意した原稿でスピーチする場合も少なくありません。
 
 そして、大企業の社長はインサイダー取引などのリスクを恐れてブログを堂々と書くこともないはずです。
 
■社長ブログに惚れて入社した人たちと心を一つにする

 だからこそ、長期視点で自己責任で夢や志を語れ、即断即決で企業を変革できるオーナー社長のメッセージは際立ちます。
 
「社長ブログを読んで志望し、入社した人とは心が通い合う」「即戦力になり離職率も低い」そんな話をされる社長ブロガーは少なくありません。

 中小企業で働く人財に求められる最大の素養は、おそらく「熱意」でしょう。社長の想いに響いて入社した方と募集広告だけを見て入社した方に、大きな温度差があるのは明らかなのです。

 次回は、私自身のブログを示して、人財獲得のために効果的なやり方を具体的にお話ししたいと思います。

ブログ道
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。http://kume.keikai.topblog.jp/

2006年11月17日(金)更新

【社長のためのブログ道】vol.9 ブログは未来の人財と出会う最強ツール

けいかい
久米信行氏の『社長のためのブログ道』は、「月刊 経営者会報」にて好評連載中です。詳細とご購読のお申し込みは、http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm をご参照ください。(編集部)

●社長ブログは未来の“人財”と出会う最強ツール(1)
 
 景気の回復で、人材獲得競争が再燃しつつあります。
 
 少子高齢化も手伝い、今後、中小企業がよい“人財”(私は人は財産だと考えていますので“人財”と言っています)を獲得することは難しくなる一方でしょう。
 
 そんな人財難時代、今後ますます頼りになるのが社長ブログです。もちろん「リクナビ」などへの登録も有効ではあるでしょう。
 
 しかし、多くの大企業も登録している以上、苦戦を強いられるのは当然です。そこで、社長の夢や志を志望者に直接熱く伝えることができる、社長ブログが有効になるのです。
 
■中小企業ならではの働きがいに注目する

 もとより、大企業に就職したい人と、中小企業やベンチャー企業に就職したい人とは、仕事や働きがいに対する考え方が異なりましょう。安定より挑戦を、部分よりも全体を、社風に染まるよりも自己実現を望む人たちも少なくないはずです。
 
 私は、幸いにして、創業期のベンチャー、伝統的な大手金融機関での勤務経験を経て、祖父が起こし父が育てた老舗メーカーに戻りました。体験したどの企業形態も一長一短があり、中小企業にも大企業にはない働きがいがあると実感しました。
 
 給料・福利厚生・休日などでは、現状、大企業にかなわなくとも、やりがいや仕事の面白さで勝ることはできます。夢や志の大きさでも負けません。企業成長やブランド価値向上の瞬間を、まさに当事者として実体験できる醍醐味もあるでしょう。
 
 社長や幹部とも毎日顔を合わせ、その熱い想いに触れながら仕事ができる。お客様の生の声に触れつつ、経営全体を俯瞰しながら仕事をする。そんな臨場感も中小企業ならではです。
 
■社長が仕事を面白がればブログに人は集まる

 ですから、自社で働く面白さを、社長自らがもっと積極的に自信をもって発信する必要があるでしょう。
 
 わざわざ求人情報の形で情報発信をしなくともよいのです。社長が日々仕事を通じて味わった感動を、ブログにありのまま綴るだけでも大いに効果があるはずです。
 
 とくに、社長自身が感じる「わが天職の醍醐味」は働きがいを求める入社志望者が最も知りたい情報です。
 
 そして、社員のファインプレーやチームプレーを讃えながら、誰もが仕事を楽しみながら、全社一丸で経営目標を達成していることが社長ブログから伝わればよいのです。志望者もその輪の中に入って活躍したくなるでしょう。
 
 次回は、具体的に未来の人財に向けて、何を語るかについてお話します。

ブログ道
■くめ のぶゆき氏 1963年生まれ。87年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、日興証券勤務等を経て、91年、父の経営する久米繊維工業入社。94年より社長。オーダーメイドのTシャツをネットを通じて受注・販売するビジネスモデルで、日経インターネットアワード、IT経営百選を受賞。IT活用の先駆者として知られる。著書に『メール道』『ブログ道』(ともにNTT出版)。http://kume.keikai.topblog.jp/
«前へ 次へ»

ボードメンバープロフィール

board_member

くめ のぶゆき氏

久米信行(くめ・のぶゆき)

1963年東京下町生まれのTシャツメーカー三代目。

慶應義塾大学経済学部卒業後、87年、イマジニア株式会社に入社。ファミコンゲームソフトのゲームデザイナー兼飛び込み営業を担当する。
88年に日興證券株式会社に転職し、資金運用・相続診断システムの企画開発、ファイナンシャル・プランナー研修で活躍。
94年に家業である久米繊維工業株式会社の代表取締役に就任。

日本でこそ創りえるTシャツを目指し、グリーン電力とオーガニックコットンを生かす環境品質と、
クリエイターとJapanCoolを共創する文化品質を追求。
個人的なTシャツコレクションも数千枚に及び、全国のTシャツアート展・ワークショップ・エコイベントを支援する。

明治大学商学部「ベンチャービジネス論/起業プランニング論」講師。NPO法人CANPANセンター理事。東京商工会議所墨田支部IT分科会長。社団法人墨田区観光協会理事。

著書に、10万部を突破した『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社)、
Amazonでビジネス3部門第1位を獲得した『メール道』と『ブログ道』(ともにNTT出版)がある。
連載は、「経営者会報」「日経パソコン」「日経ネットマーケティング」「日経トップリーダー」ほか多数。

Twitter ID @nobukume
facebook+YouTube nobukume

<<  2024年11月  >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30