久米信行の『言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール』 | 経営者会報 (社長ブログ)
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【新著連載】Q11.大きな夢を語って笑われるのが怖い
15万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております! ぜひコメント、トラックバックをお寄せください。
Q.大きな夢を語って笑われるのが怖い
→A.現実とのギャップの向こうに、自分の成長と周囲の支援がある
誰しも自分の「力不足をさらけだす」のは「怖い」ものです。そして、もっと「怖い」のは、「若くして大きな夢を語る」こと、それを「笑われる」ことでしょう。
自ら、実力以上の高い目標を公言してしまうことは、それ自体が、大きなリスクに見えるかもしれません。しかし、充実した人生を生き抜くことができるかどうかは、若いころの「夢と現実のギャップ」の大きさにあると言っても過言ではありません。20代、30代に知識や経験がないことは当たり前。問題は、大きな夢とのギャップを、どうやって埋めて行くかという、前向きな「心のベクトル」なのです。
●夢を抱くのに遅すぎることはない
例えば、私たち久米繊維の中で、最も壮大な夢を描いて公言しているのは、NPO法人やCSR企業担当の竹内裕さんです。竹内さんは私よりも年上ですが、50代にさしかかった時に、3.11東日本大震災を体験して人生が変わりました。被災地の厳しい現実を見て回って、人生が変わったのです。夢を抱くのに遅すぎることはないのです。
竹内さんの夢は、「復興支援で活躍する東北のNPOを、Tシャツで応援すること」です。東北各地のNPOのためのオリジナルTシャツを作って、その販売収益を寄付し続けるプロジェクトを始めています。その事業を通じて、竹内さんは10年後に壮大な夢を描いています。「岩手~宮城~福島の海岸線を、各地の復興支援Tシャツを着た人で埋め尽くし、手をつないで一列に並ぼう」というのです。そして、ギネスブックに登録しようとまで考えているのです。これは、言い換えれば、10年がかりで、数十万枚のTシャツを販売して、数億円単位の寄付をすることを意味します。
●プロジェクトへの熱い思いとその意義を伝える
しかし、竹内さんは、Tシャツ製造の知識こそあれ、現地のNPOとのネットワークも、独自にTシャツ販売をする仕組みも持っていませんでした。被災地の惨状を見て「なんとかしたい」という熱い想いだけがすべてでした。そこで、竹内さんは、自分よりも大きな知恵や力がある人たちと共に夢を見て、協業するしかないと思いました。
まずは、被災地のNPOを支援する強力なネットワークを持つ日本財団に協力を仰ぐことにしました。幸いにして、日本財団とは、JMAAチャリティTシャツアート展を毎年共催していて友好関係がありました。そこで、竹内さんは、日本財団のご担当者に、復興支援Tシャツプロジェクトの意義を熱く語りました。同時に、Tシャツのスペシャリストではあっても、復興支援の知識やNPOとのネットワークがないことも正直に伝えました。その大きな夢と誠実な姿勢が共感を生んだのでしょう。日本財団から、応援するNPOのみなさんをご紹介いただくことができたのです。
●夢を語りつつ、自分に足りないものをさらけ出す
さらに、3.11復興支援Tシャツを広めるためには、メディアの協力も欠かせません。しかし、多くのマスメディアは、いずれ3.11のことを報道しなくなるでしょう。被災地支援にずっと関心をもつ人が定期購読するような「心あるメディア」の協力を仰ぐことが必要でした。
そこで、竹内さんは、社会貢献に熱心な企業やNPOの経営者愛読する雑誌「オルタナ」に、復興支援Tシャツの構想を話そうと思い立ちました。
竹内さんは、もともとオルタナの編集方針に共感し、個人で購読し応援していたので、担当者に耳を傾けていただけました。まず、久米繊維や自分の力だけでは、この壮大な構想を実現できないと告白しました。その上で、オルタナ読者の企業経営者と被災地のNPOを結んで、10年がかりの末永い復興支援を進めたいと熱く語ったのです。
さらに、ネットで多くの人に知ってもらい、Tシャツを数多く販売をするためには、インターネットで力を持つ会社との協業も必要でした。そこで、3.11以降、真剣に被災地支援をしていたヤフーにプロジェクトを提案しました。当初は、ヤフーにネットショップを開くだけの小さなスタートでした。しかし、これからは、復興支援Tシャツに限らず、様々な社会貢献Tシャツを通じて社会を変えて行こうと話は進んでいます。
こうして、竹内さんは、大きな夢を語りつつ、自分に足りないものもさらけ出すことで、日本財団、オルタナ、ヤフーという素晴らしい企業との協業を実現したのです。実際に起業する時に重要なのは、自分自身のノウハウ(Know How)ではなく、自分より力のある人を見つけて協業する力(Know Who)なのです。
A.現実とのギャップの向こうに、自分の成長と周囲の支援がある
【バックナンバー】
Q08.若くて経験もなくて不安です
Q09.失敗するのが怖い
Q10.部下がいないうちは大きなことに挑戦できない?
Q.大きな夢を語って笑われるのが怖い
→A.現実とのギャップの向こうに、自分の成長と周囲の支援がある
誰しも自分の「力不足をさらけだす」のは「怖い」ものです。そして、もっと「怖い」のは、「若くして大きな夢を語る」こと、それを「笑われる」ことでしょう。
自ら、実力以上の高い目標を公言してしまうことは、それ自体が、大きなリスクに見えるかもしれません。しかし、充実した人生を生き抜くことができるかどうかは、若いころの「夢と現実のギャップ」の大きさにあると言っても過言ではありません。20代、30代に知識や経験がないことは当たり前。問題は、大きな夢とのギャップを、どうやって埋めて行くかという、前向きな「心のベクトル」なのです。
●夢を抱くのに遅すぎることはない
例えば、私たち久米繊維の中で、最も壮大な夢を描いて公言しているのは、NPO法人やCSR企業担当の竹内裕さんです。竹内さんは私よりも年上ですが、50代にさしかかった時に、3.11東日本大震災を体験して人生が変わりました。被災地の厳しい現実を見て回って、人生が変わったのです。夢を抱くのに遅すぎることはないのです。
竹内さんの夢は、「復興支援で活躍する東北のNPOを、Tシャツで応援すること」です。東北各地のNPOのためのオリジナルTシャツを作って、その販売収益を寄付し続けるプロジェクトを始めています。その事業を通じて、竹内さんは10年後に壮大な夢を描いています。「岩手~宮城~福島の海岸線を、各地の復興支援Tシャツを着た人で埋め尽くし、手をつないで一列に並ぼう」というのです。そして、ギネスブックに登録しようとまで考えているのです。これは、言い換えれば、10年がかりで、数十万枚のTシャツを販売して、数億円単位の寄付をすることを意味します。
●プロジェクトへの熱い思いとその意義を伝える
しかし、竹内さんは、Tシャツ製造の知識こそあれ、現地のNPOとのネットワークも、独自にTシャツ販売をする仕組みも持っていませんでした。被災地の惨状を見て「なんとかしたい」という熱い想いだけがすべてでした。そこで、竹内さんは、自分よりも大きな知恵や力がある人たちと共に夢を見て、協業するしかないと思いました。
まずは、被災地のNPOを支援する強力なネットワークを持つ日本財団に協力を仰ぐことにしました。幸いにして、日本財団とは、JMAAチャリティTシャツアート展を毎年共催していて友好関係がありました。そこで、竹内さんは、日本財団のご担当者に、復興支援Tシャツプロジェクトの意義を熱く語りました。同時に、Tシャツのスペシャリストではあっても、復興支援の知識やNPOとのネットワークがないことも正直に伝えました。その大きな夢と誠実な姿勢が共感を生んだのでしょう。日本財団から、応援するNPOのみなさんをご紹介いただくことができたのです。
●夢を語りつつ、自分に足りないものをさらけ出す
さらに、3.11復興支援Tシャツを広めるためには、メディアの協力も欠かせません。しかし、多くのマスメディアは、いずれ3.11のことを報道しなくなるでしょう。被災地支援にずっと関心をもつ人が定期購読するような「心あるメディア」の協力を仰ぐことが必要でした。
そこで、竹内さんは、社会貢献に熱心な企業やNPOの経営者愛読する雑誌「オルタナ」に、復興支援Tシャツの構想を話そうと思い立ちました。
竹内さんは、もともとオルタナの編集方針に共感し、個人で購読し応援していたので、担当者に耳を傾けていただけました。まず、久米繊維や自分の力だけでは、この壮大な構想を実現できないと告白しました。その上で、オルタナ読者の企業経営者と被災地のNPOを結んで、10年がかりの末永い復興支援を進めたいと熱く語ったのです。
さらに、ネットで多くの人に知ってもらい、Tシャツを数多く販売をするためには、インターネットで力を持つ会社との協業も必要でした。そこで、3.11以降、真剣に被災地支援をしていたヤフーにプロジェクトを提案しました。当初は、ヤフーにネットショップを開くだけの小さなスタートでした。しかし、これからは、復興支援Tシャツに限らず、様々な社会貢献Tシャツを通じて社会を変えて行こうと話は進んでいます。
こうして、竹内さんは、大きな夢を語りつつ、自分に足りないものもさらけ出すことで、日本財団、オルタナ、ヤフーという素晴らしい企業との協業を実現したのです。実際に起業する時に重要なのは、自分自身のノウハウ(Know How)ではなく、自分より力のある人を見つけて協業する力(Know Who)なのです。
A.現実とのギャップの向こうに、自分の成長と周囲の支援がある
【バックナンバー】
Q09.失敗するのが怖い
Q10.部下がいないうちは大きなことに挑戦できない?
ボードメンバープロフィール
くめ のぶゆき氏
久米信行(くめ・のぶゆき)
1963年東京下町生まれのTシャツメーカー三代目。
慶應義塾大学経済学部卒業後、87年、イマジニア株式会社に入社。ファミコンゲームソフトのゲームデザイナー兼飛び込み営業を担当する。
88年に日興證券株式会社に転職し、資金運用・相続診断システムの企画開発、ファイナンシャル・プランナー研修で活躍。
94年に家業である久米繊維工業株式会社の代表取締役に就任。
日本でこそ創りえるTシャツを目指し、グリーン電力とオーガニックコットンを生かす環境品質と、
クリエイターとJapanCoolを共創する文化品質を追求。
個人的なTシャツコレクションも数千枚に及び、全国のTシャツアート展・ワークショップ・エコイベントを支援する。
明治大学商学部「ベンチャービジネス論/起業プランニング論」講師。NPO法人CANPANセンター理事。東京商工会議所墨田支部IT分科会長。社団法人墨田区観光協会理事。
著書に、10万部を突破した『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社)、
Amazonでビジネス3部門第1位を獲得した『メール道』と『ブログ道』(ともにNTT出版)がある。
連載は、「経営者会報」「日経パソコン」「日経ネットマーケティング」「日経トップリーダー」ほか多数。
Twitter ID @nobukume
facebook+YouTube nobukume
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