久米信行の『言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール』 | 経営者会報 (社長ブログ)
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【新著連載】Q19.仮説はどうやって立てればいいのですか?
15万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております! ぜひコメント、トラックバックをお寄せください。
Q.仮説はどうやって立てればいいのですか?
→A.原則として外れることを前提に「計画的失敗」のち「修正」
新しい事業や商品を生み出す起業家は、アイディアあふれる仮説構築の達人だと思われがちです。しかし仮説立案には「試行錯誤の繰返し=計画的失敗」が不可避です。
1.不満や不便を感じて課題を見つけるための行動力
2.課題を解決できる仮説を考えるための情報収集力
3.課題をいったん忘れ、体験や出会いを重ねて「ひらめき」を待つ熟成力
4.仮説を実行して失敗を重ねては、検証を繰り返す試行錯誤力
なぜなら、「仮説は原則として外れるもの」で「思い込みの強い仮説ほど外れがち」だからです。試行錯誤を繰り返し、さまざまな失敗体験と、思いがけない出会いを通じて、仮説は修正され、磨き上げられ、やがて成功に近づいていくのです。
例えば、私の著書の中で、最も多くの方に愛読されているロングセラー『「すぐやる!」技術(2013年6月現在、27刷20万部)」が誕生したプロセスを見れば、「いかに安易な自分の仮説があたらないか」「お客様やパートナーの助力が大切か」がよくわかります。
●明大での講義をもとに「起業論のテキスト」出版を目論んだものの…
ことの始まりは、明治大学商学部教授の村田潔先生から、クリエイティブ・ビジネスコースの講師を拝命したことです。ベンチャービジネス論と起業プランニング論を教えられる経営者を探しているとのことで、二つ返事でお引き受けをいたしました。村田先生が語る社会的な意義に共鳴したからです。同時に、「明治大学なら、中小企業経営者のご子息が多いので、志も商売の基礎知識も兼ね備えているはず。教育効果が上がるはず」との仮説を抱いたからです。そして、当時からおつきあいのあった編集者で、日本実業出版社にお勤めだった佐藤聖一さんにも講義に参加していただきました。この講義をもとに「起業論のテキスト」を出版しようと目論んだからです。
ところが、この仮説は大きく外れました。最初の講義に参加した約100名の学生のうち、「経営者のご子息」は、わずか数名しかいなかったのです。その上、起業論を志しながら、「あいさつもスピーチも苦手」「簿記の資格もない」「ドラッカーや松下幸之助の著作も読んでいない」という学生が大半でした。さらに「必ずしも起業を志しているわけでも、経営者になりたいわけでもない」と言うのです。何より哀しかったのは「好きなモノやコトを一年間ブログでお勧めする」という簡単な課題に対し、「好きなモノがない」「一年間も書くネタがない」と脱落する学生が続出したことです。
ということで、私の仮説は大きく外れました。当然ながら、講義の内容も、出版予定だった本の中身も、大幅な変更を余儀なくされました。しかし、手を抜くわけにはいきません。受講生たちの声に耳を傾け「何が望まれ、何が必要とされているか」を感じ取りながら、等身大の講義を続けていきました。最後まで完走してくれた学生は、わずか10名あまりに減ってしまいましたが、なんとか満足のいく講義ができました。
●イマドキの若者の現実を目にした編集者からの企画提案
そして一年を終えたところで、ずっと講義に参加してくださった編集者の佐藤さんが、なんと書籍の企画案をもってきてくれました。それは、若者たちが一歩前に踏み出しすための自己啓発本の原案でした。講義中、私がアドリブで学生たちに叱咤激励する言葉に感動してくれた佐藤さんが、その内容を箇条書きにして章立てしてくれたのです。それは、私の思い込み仮説による企画「志の高い起業家志望の若者向けの実業テキスト」ではありませんでした。イマドキの若者の現実を目にした佐藤さんの実感にもとづく企画『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』だったのです。
もともと現場主義の私は、自己啓発本が好きではなく、書く気もありませんでした。しかし、1年間の講義で目の当たりした現実と、佐藤さんの真剣なまなざしに、私は動かされました。さっそく佐藤さんの名リードのもと、ブログを使った公開執筆を始めました。学生たちにネット連載の見本を見せたかったのと、同じやり方で旧著『メール道』がアマゾンの販売ランキング総合2位になったのを思い出したからです。
いざ出版されると、予想を超えることが次々に起こりました。学生や若者向けの本のつもりが、経営者や管理職、さらには理系やIT系のエンジニアの方々にも愛読されたのです。「仮説は外れる。現実に即して修正を続けよ」と現実から学んだのです。
A.原則として外れることを前提に「計画的失敗」のち「修正」
【バックナンバー】
Q08.若くて経験もなくて不安です
Q09.失敗するのが怖い
Q10.部下がいないうちは大きなことに挑戦できない?
Q11.自分の力不足をさらけ出すのが怖い
Q12.人から笑われるのが怖いんです
Q13.「とるべきリスク」とはどんなものですか?
Q14.もっと大きな仕事をしたい
Q15.未来を見通す目がほしい
Q16.すぐに現状に満足してしまう
Q17.付き合う人の幅を広げたい
Q18.人と違った情報が得たい
Q.仮説はどうやって立てればいいのですか?
→A.原則として外れることを前提に「計画的失敗」のち「修正」
新しい事業や商品を生み出す起業家は、アイディアあふれる仮説構築の達人だと思われがちです。しかし仮説立案には「試行錯誤の繰返し=計画的失敗」が不可避です。
1.不満や不便を感じて課題を見つけるための行動力
2.課題を解決できる仮説を考えるための情報収集力
3.課題をいったん忘れ、体験や出会いを重ねて「ひらめき」を待つ熟成力
4.仮説を実行して失敗を重ねては、検証を繰り返す試行錯誤力
なぜなら、「仮説は原則として外れるもの」で「思い込みの強い仮説ほど外れがち」だからです。試行錯誤を繰り返し、さまざまな失敗体験と、思いがけない出会いを通じて、仮説は修正され、磨き上げられ、やがて成功に近づいていくのです。
例えば、私の著書の中で、最も多くの方に愛読されているロングセラー『「すぐやる!」技術(2013年6月現在、27刷20万部)」が誕生したプロセスを見れば、「いかに安易な自分の仮説があたらないか」「お客様やパートナーの助力が大切か」がよくわかります。
●明大での講義をもとに「起業論のテキスト」出版を目論んだものの…
ことの始まりは、明治大学商学部教授の村田潔先生から、クリエイティブ・ビジネスコースの講師を拝命したことです。ベンチャービジネス論と起業プランニング論を教えられる経営者を探しているとのことで、二つ返事でお引き受けをいたしました。村田先生が語る社会的な意義に共鳴したからです。同時に、「明治大学なら、中小企業経営者のご子息が多いので、志も商売の基礎知識も兼ね備えているはず。教育効果が上がるはず」との仮説を抱いたからです。そして、当時からおつきあいのあった編集者で、日本実業出版社にお勤めだった佐藤聖一さんにも講義に参加していただきました。この講義をもとに「起業論のテキスト」を出版しようと目論んだからです。
ところが、この仮説は大きく外れました。最初の講義に参加した約100名の学生のうち、「経営者のご子息」は、わずか数名しかいなかったのです。その上、起業論を志しながら、「あいさつもスピーチも苦手」「簿記の資格もない」「ドラッカーや松下幸之助の著作も読んでいない」という学生が大半でした。さらに「必ずしも起業を志しているわけでも、経営者になりたいわけでもない」と言うのです。何より哀しかったのは「好きなモノやコトを一年間ブログでお勧めする」という簡単な課題に対し、「好きなモノがない」「一年間も書くネタがない」と脱落する学生が続出したことです。
ということで、私の仮説は大きく外れました。当然ながら、講義の内容も、出版予定だった本の中身も、大幅な変更を余儀なくされました。しかし、手を抜くわけにはいきません。受講生たちの声に耳を傾け「何が望まれ、何が必要とされているか」を感じ取りながら、等身大の講義を続けていきました。最後まで完走してくれた学生は、わずか10名あまりに減ってしまいましたが、なんとか満足のいく講義ができました。
●イマドキの若者の現実を目にした編集者からの企画提案
そして一年を終えたところで、ずっと講義に参加してくださった編集者の佐藤さんが、なんと書籍の企画案をもってきてくれました。それは、若者たちが一歩前に踏み出しすための自己啓発本の原案でした。講義中、私がアドリブで学生たちに叱咤激励する言葉に感動してくれた佐藤さんが、その内容を箇条書きにして章立てしてくれたのです。それは、私の思い込み仮説による企画「志の高い起業家志望の若者向けの実業テキスト」ではありませんでした。イマドキの若者の現実を目にした佐藤さんの実感にもとづく企画『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』だったのです。
もともと現場主義の私は、自己啓発本が好きではなく、書く気もありませんでした。しかし、1年間の講義で目の当たりした現実と、佐藤さんの真剣なまなざしに、私は動かされました。さっそく佐藤さんの名リードのもと、ブログを使った公開執筆を始めました。学生たちにネット連載の見本を見せたかったのと、同じやり方で旧著『メール道』がアマゾンの販売ランキング総合2位になったのを思い出したからです。
いざ出版されると、予想を超えることが次々に起こりました。学生や若者向けの本のつもりが、経営者や管理職、さらには理系やIT系のエンジニアの方々にも愛読されたのです。「仮説は外れる。現実に即して修正を続けよ」と現実から学んだのです。
A.原則として外れることを前提に「計画的失敗」のち「修正」
【バックナンバー】
Q09.失敗するのが怖い
Q10.部下がいないうちは大きなことに挑戦できない?
Q11.自分の力不足をさらけ出すのが怖い
Q12.人から笑われるのが怖いんです
Q13.「とるべきリスク」とはどんなものですか?
Q14.もっと大きな仕事をしたい
Q15.未来を見通す目がほしい
Q16.すぐに現状に満足してしまう
Q17.付き合う人の幅を広げたい
Q18.人と違った情報が得たい
ボードメンバープロフィール
くめ のぶゆき氏
久米信行(くめ・のぶゆき)
1963年東京下町生まれのTシャツメーカー三代目。
慶應義塾大学経済学部卒業後、87年、イマジニア株式会社に入社。ファミコンゲームソフトのゲームデザイナー兼飛び込み営業を担当する。
88年に日興證券株式会社に転職し、資金運用・相続診断システムの企画開発、ファイナンシャル・プランナー研修で活躍。
94年に家業である久米繊維工業株式会社の代表取締役に就任。
日本でこそ創りえるTシャツを目指し、グリーン電力とオーガニックコットンを生かす環境品質と、
クリエイターとJapanCoolを共創する文化品質を追求。
個人的なTシャツコレクションも数千枚に及び、全国のTシャツアート展・ワークショップ・エコイベントを支援する。
明治大学商学部「ベンチャービジネス論/起業プランニング論」講師。NPO法人CANPANセンター理事。東京商工会議所墨田支部IT分科会長。社団法人墨田区観光協会理事。
著書に、10万部を突破した『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社)、
Amazonでビジネス3部門第1位を獲得した『メール道』と『ブログ道』(ともにNTT出版)がある。
連載は、「経営者会報」「日経パソコン」「日経ネットマーケティング」「日経トップリーダー」ほか多数。
Twitter ID @nobukume
facebook+YouTube nobukume
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