久米信行の『言いわけばかりで動けない君に贈る33のエール』 | 経営者会報 (社長ブログ)
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【新著連載】Q29.見栄っ張りでプライドが高すぎる
15万部突破!『すぐやる!技術』の著者であり、当「経営者会報ブログ」のプロデューサーでもある久米信行さんの次回作ご執筆原稿をリアルタイムで公開させていただいております! ぜひコメント、トラックバックをお寄せください。
Q29.見栄っ張りでプライドが高すぎる
A.「粋」と「野暮」をわきまえ「粋な人」を目指せ
起業家にとって「誇り」や「プライド」は大切です。世のため人のために、リスクをとって、時には「割りの合わない事業」にとり組まねばならないのですから、「誇り」や「プライド」なくしては、心が折れそうになるからです。
●成金経営者の「野暮」、老舗のオーナー経営者の「粋」
事業が成功を収めて、ある程度のお金や名誉が手に入るようになった途端、「見栄っ張りでプライドが高すぎる成金経営者」に豹変しやすいのも事実です。
墨田区向島料亭街と共に歩んだ喫茶店「カド」の二代目ご主人曰く、成功して向島で芸者遊びをする人には「進化法則」があるそうです。まずは酒(高級料亭)と女(向島芸者)、続いて競馬の馬主、最後はバカラなどの賭博。要は、より多くのお金を使って、より高いスリルと、ステイタスシンボルを得たいということなのでしょうか。
ところが、私が尊敬する先輩経営者、とくに老舗のオーナー経営者の方々は、見栄はそこそこに、誇りとのれんを、自分自身の美学と幸福感を大切にされているのです。
例えば、愛用しているものを見れば、その経営者の考え方や生き方がわかります。もともと、江戸文化には「粋」と「野暮」という考えがあります。見るからに高級で派手なものを身にまとうと「野暮」、地味だが仕立てが良くて裏地に凝っていたりすると「粋」だと思われるわけです。つまり「見栄っ張り」は、侘び寂びもわからぬ「成金趣味の野暮な人」だと笑う文化が、日本には既に昔からあったわけです。
●思い入れをもってストーリーを語れるか?
誰が見てもわかる高級時計や、高級外車に乗りたい気持ちもわからないでもありません。しかし「なぜその時計ですか?」と聞いても、何の思い入れがないと、本当にがっかりします。まるでブランドネームと高価格だけに惹かれたように見えるのです。
その一方で、ちょっと気になる美しい小物を持っていて、聴くとうれしそうに物語を教えてくれる先輩経営者もいます。例えば、勉強会「ニューマネジメントフォーラム」で毎月顔を合わせる仲間、C+F研究所 ティム・マクリーンさん、アドバネクス・加藤雄一さん、イワキ・岩城修さんとの熱い「モノ談義」は楽しみでなりません。
ティムさんは、米国でスティーヴ・ジョブスと同じ師匠からの禅を学んでいたこともあって、アップルの理念と製品を社員以上に愛しています。同様に、加藤さんも、岩城さんも私もジョブスを敬愛するアップル派なので、いつもモノ自慢が始まるのです。とはいえ、iPhoneやMacBookは、今や学生でさえ持っています。
そこで、自慢は、iPhoneのケースやMacBook用の鞄、さらには関連する文房具やアプリになるのです。どれだけ、誰も持っていない×美しい×面白いものを探し出し、そのストーリーを熱く楽しく語れるかという勝負=遊びです。誰もが知っているブランド品、しかも高額品だったら「野暮」だと思われてしまいます。
知る人ぞ知る逸品、国内の量販店で売っていないような美しくも珍しい名品を、リーズナブルな価格で見つけなくては、仲間に「粋」だと思ってもらえません。これが楽しいのです。
●「粋」な遊びに熱中する仲間をつくる
よく考えると、この「隠れ名品探し×ものがたり」という「粋」で「無邪気」な遊びに熱中する心は、起業家精神そのものかもしれません。自らの情報網と感性と行動力で、人がまだ発見していない美しくも役に立つ商品を探すからです。そして、有名になって価格が上がる前に入手して、誰よりも愛情をこめて熱く語り、広めるのです。
ただし、このゲームを楽しむためには、仲間が大切なのです。
経営者のまわりには、とり入ろうとチヤホヤする輩がいますが、彼らは仲間ではありません。とり巻きです。また、成金仲間の間では、このお金を使わない代わりに、知性と感性と品性を問われる地味なゲームの面白さも「探し出して伝える喜びや誇り」も理解できないでしょう。
真の仲間とは、お互いに師匠になったり、弟子になったりできる特別な関係です。「見栄を張る」必要はありません。自分の強みや弱みも、仕事×家族×個人の悩みも、さらけ出すことができます。
将来に実現したい夢も、心から理解し合えて応援できます。だからこそ、有頂天になっていれば厳しく叱咤し、絶望していれば温かく励ますこともできるのです。
お金や地位目当てのとり巻きの評判を気にするよりも、心からの友=真の仲間にほめてもらえる生き方をすることこそ「誇り高き人生」なのです。
A.「粋」と「野暮」をわきまえ「粋な人」を目指せ
Q29.見栄っ張りでプライドが高すぎる
A.「粋」と「野暮」をわきまえ「粋な人」を目指せ
起業家にとって「誇り」や「プライド」は大切です。世のため人のために、リスクをとって、時には「割りの合わない事業」にとり組まねばならないのですから、「誇り」や「プライド」なくしては、心が折れそうになるからです。
●成金経営者の「野暮」、老舗のオーナー経営者の「粋」
事業が成功を収めて、ある程度のお金や名誉が手に入るようになった途端、「見栄っ張りでプライドが高すぎる成金経営者」に豹変しやすいのも事実です。
墨田区向島料亭街と共に歩んだ喫茶店「カド」の二代目ご主人曰く、成功して向島で芸者遊びをする人には「進化法則」があるそうです。まずは酒(高級料亭)と女(向島芸者)、続いて競馬の馬主、最後はバカラなどの賭博。要は、より多くのお金を使って、より高いスリルと、ステイタスシンボルを得たいということなのでしょうか。
ところが、私が尊敬する先輩経営者、とくに老舗のオーナー経営者の方々は、見栄はそこそこに、誇りとのれんを、自分自身の美学と幸福感を大切にされているのです。
例えば、愛用しているものを見れば、その経営者の考え方や生き方がわかります。もともと、江戸文化には「粋」と「野暮」という考えがあります。見るからに高級で派手なものを身にまとうと「野暮」、地味だが仕立てが良くて裏地に凝っていたりすると「粋」だと思われるわけです。つまり「見栄っ張り」は、侘び寂びもわからぬ「成金趣味の野暮な人」だと笑う文化が、日本には既に昔からあったわけです。
●思い入れをもってストーリーを語れるか?
誰が見てもわかる高級時計や、高級外車に乗りたい気持ちもわからないでもありません。しかし「なぜその時計ですか?」と聞いても、何の思い入れがないと、本当にがっかりします。まるでブランドネームと高価格だけに惹かれたように見えるのです。
その一方で、ちょっと気になる美しい小物を持っていて、聴くとうれしそうに物語を教えてくれる先輩経営者もいます。例えば、勉強会「ニューマネジメントフォーラム」で毎月顔を合わせる仲間、C+F研究所 ティム・マクリーンさん、アドバネクス・加藤雄一さん、イワキ・岩城修さんとの熱い「モノ談義」は楽しみでなりません。
ティムさんは、米国でスティーヴ・ジョブスと同じ師匠からの禅を学んでいたこともあって、アップルの理念と製品を社員以上に愛しています。同様に、加藤さんも、岩城さんも私もジョブスを敬愛するアップル派なので、いつもモノ自慢が始まるのです。とはいえ、iPhoneやMacBookは、今や学生でさえ持っています。
そこで、自慢は、iPhoneのケースやMacBook用の鞄、さらには関連する文房具やアプリになるのです。どれだけ、誰も持っていない×美しい×面白いものを探し出し、そのストーリーを熱く楽しく語れるかという勝負=遊びです。誰もが知っているブランド品、しかも高額品だったら「野暮」だと思われてしまいます。
知る人ぞ知る逸品、国内の量販店で売っていないような美しくも珍しい名品を、リーズナブルな価格で見つけなくては、仲間に「粋」だと思ってもらえません。これが楽しいのです。
●「粋」な遊びに熱中する仲間をつくる
よく考えると、この「隠れ名品探し×ものがたり」という「粋」で「無邪気」な遊びに熱中する心は、起業家精神そのものかもしれません。自らの情報網と感性と行動力で、人がまだ発見していない美しくも役に立つ商品を探すからです。そして、有名になって価格が上がる前に入手して、誰よりも愛情をこめて熱く語り、広めるのです。
ただし、このゲームを楽しむためには、仲間が大切なのです。
経営者のまわりには、とり入ろうとチヤホヤする輩がいますが、彼らは仲間ではありません。とり巻きです。また、成金仲間の間では、このお金を使わない代わりに、知性と感性と品性を問われる地味なゲームの面白さも「探し出して伝える喜びや誇り」も理解できないでしょう。
真の仲間とは、お互いに師匠になったり、弟子になったりできる特別な関係です。「見栄を張る」必要はありません。自分の強みや弱みも、仕事×家族×個人の悩みも、さらけ出すことができます。
将来に実現したい夢も、心から理解し合えて応援できます。だからこそ、有頂天になっていれば厳しく叱咤し、絶望していれば温かく励ますこともできるのです。
お金や地位目当てのとり巻きの評判を気にするよりも、心からの友=真の仲間にほめてもらえる生き方をすることこそ「誇り高き人生」なのです。
A.「粋」と「野暮」をわきまえ「粋な人」を目指せ
ボードメンバープロフィール
くめ のぶゆき氏
久米信行(くめ・のぶゆき)
1963年東京下町生まれのTシャツメーカー三代目。
慶應義塾大学経済学部卒業後、87年、イマジニア株式会社に入社。ファミコンゲームソフトのゲームデザイナー兼飛び込み営業を担当する。
88年に日興證券株式会社に転職し、資金運用・相続診断システムの企画開発、ファイナンシャル・プランナー研修で活躍。
94年に家業である久米繊維工業株式会社の代表取締役に就任。
日本でこそ創りえるTシャツを目指し、グリーン電力とオーガニックコットンを生かす環境品質と、
クリエイターとJapanCoolを共創する文化品質を追求。
個人的なTシャツコレクションも数千枚に及び、全国のTシャツアート展・ワークショップ・エコイベントを支援する。
明治大学商学部「ベンチャービジネス論/起業プランニング論」講師。NPO法人CANPANセンター理事。東京商工会議所墨田支部IT分科会長。社団法人墨田区観光協会理事。
著書に、10万部を突破した『考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術』(日本実業出版社)、
Amazonでビジネス3部門第1位を獲得した『メール道』と『ブログ道』(ともにNTT出版)がある。
連載は、「経営者会報」「日経パソコン」「日経ネットマーケティング」「日経トップリーダー」ほか多数。
Twitter ID @nobukume
facebook+YouTube nobukume
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